第6回 「移民問題トークライブ」に関する産経新聞報道

トークライブ開催の経緯

今回の「トークライブ」開催は実は容易なことではなかった。以下のような様々な困難に直面した。

(1)会場問題
当初、我々パネリストは産経新聞東京本社内にあるサンケイプラザを会場として使いたかったが、『正論』編集長から費用上の理由で使用できないと言われたため、市ヶ谷のホテルの宴会場を賃借することになった。筆者は事前にスライド(パワーポイント)上映を条件に引き受ける旨を編集長に伝えていたが、今度は、宴会場の構造上の制約から、スライドの上映はできないと言われてしまった。このとき筆者は編集長に対し、「在日中国人の動向に関する統計的事実をグラフで聴衆にお示しするのが私の役割(ミッション)だ。それが果たせないなら登壇しても意味がないので、今回は参加を辞退することも検討したい」と伝えたところ、編集長から「スライドをプリントアウトして紙で配布することで勘弁して欲しい」と言われた。

(2)会合名称問題
当初、『正論』編集部は「シンポジウム」という名称で開催する意向であった。しかし社内で「シンポジウム」という名称に疑問が呈されたため、社内承認を短期間で得るために「トークライブ」という名称になった。

(3)決議文問題
当初、我々パネリストは、会合の最後に西尾氏の起草による決議文を発表し、賛同者の拍手を以て採択したかったが、社内承認が得られなかったため、中止となった。

産経新聞本社サイドには、企業としてのいろいろな事情があるのであろう。そのこと自体は理解し得るし、論難するつもりはない。ただ、今回の「トークライブ」は開催すること自体が極めて困難だったこと、かろうじて開催できたのは、親会社の意向と我々パネリストの要求との間で板挟みになりながら、粘り強く調整を続け、信念を貫き通した『正論』編集部の心労と努力の結果であったことだけはここに記録しておきたい。

答えよ!!産經新聞

筆者があくまで問題視しているのは、産経新聞の7月8日の報道である。それ故、この問題に戻る。
産経新聞の報道に関して、筆者は『正論』編集部経由で、以下4項目の質問状を出している。回答は書面で求め、それを公開する意向であることも伝えてある。

 (1)今回の企画の発起人であり、移民問題連絡協議会代表である西尾幹二先生ではなく、何故、一パネリストに過ぎない私の発言のみを報道したのか?

(2)私の第1部および第2部を通した全発言の中で、何故、当該部分のみを報道したのか?

(3)産経新聞は、当該部分が今回のトークライブのエッセンス(最重要論点)だと考えているのか?

(4)もし(3)の通りでないなら、何故、当該部分のみを報道したのか?

産経新聞側から回答があれば、次回の連載で公開するつもりだ。
なお、本稿に書いたことはすべて筆者(関岡英之)個人の見解であり、他のパネリストには一切関わりがないことを明記しておく。(続く)

→ 次ページ「平成26年7月29日付 雑誌『正論』主催トークライブに関わるブログの訂正依頼」を読む

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西部邁

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コメント

  1. 非常に重要な問題です。
    産経新聞本社の真摯な対応を期待します。
    ここで恥知らずな対応をとるようなら、
    産経新聞は朝日や毎日レベルに堕ちたと見なさざるをえなくなります。

    • 夢野一郎
    • 2014年 7月 11日

    7月8日の産経新聞記事は、こちら↓のブログの画像から、全文を読むことができます。

    ブログ http://ameblo.jp/datoushinzoabe/entry-11891521352.html

    記事画像 http://ameblo.jp/datoushinzoabe/image-11891521352-12998280066.html

    また、MSN産経ニュースでは、トークライブの各パネリストの主張が、紹介されています。

    http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140707/plc14070711300003-n1.htm

    • Johne594
    • 2014年 7月 25日

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