トランプ大統領を生みだしたポリティカル・コレクトネス
- 2016/11/18
- 社会
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日本はどうか
差別に反対することは当然のことです。差別をなくすための取り組みも同じです。しかし、行き過ぎた「ポリティカル・コレクトネス」が米国を分裂させたことは事実です。選挙期間中のトランプ氏の差別的発言が、米国社会を分断させたという解説が日米双方のマスコミに散見していますが、それは「ヒラリー有利」を予測した間違いと同じ轍にあるマスコミの選民意識、特権意識です。「トランプ主犯説」を換言すると「トランプに煽られた国民」への批判であり、煽られなかった自分たちこそが、本当は正しいという「負け惜しみ」となるからです。次期大統領を生み出した「トランプ現象」とは「ポリティカル・コレクトネス」の弊害が可視化されたにすぎません。つまり既に分断していたということです。すでにそこにあった不満という本音、すなわち需要を掘り起こしたのがトランプ氏だったのです。そして、明日は我が身です。
宮脇睦先生による超人気連載『ネットバスターズ』が掲載されている『月刊正論』で、稲田朋美防衛大臣の5年前の対談記事で「核武装の議論も必要になる(要旨)」とした発言を、国会で吊し上げた、蓮舫民主党代表に同調するマスコミを危惧します。
議論を封じるとテロになる
過去の発言で、しかも「議論」についてすら封殺しようとする目論見は「日本版ポリティカル・コレクトネス」です。国籍騒動がくすぶり続ける蓮舫氏が、核開発を続ける北朝鮮や、絶賛実戦配備中の中国とロシアの核兵器を前にしながら、米国の核の傘を有効活用するための安保法制にも執拗に反対していた真意は分かりませんが、それが彼女の考えならば、考えることを強制的に止める術はありません。恐ろしい野望を持って政治活動をしていても、彼女が日本国籍を有するのであれば、日本国憲法が定める思想の自由と言論の自由が与えられているからです。しかし、それは「核武装の議論をする自由」にも与えられるべきもの。ならば、言論の自由によって飯を食えている新聞、テレビなどマスコミは、核武装に反対の論陣を貼るにしても、こう述べなければならないはずです。
「我々は核武装のすべてを拒否するが、稲田防衛大臣が自分の意見を述べる自由は擁護する」
事実はどうでしょうか。核武装だけではなく、ヘイトスピーチ、移民政策、PKOの駆け付け警護ですら、議論の入口でレッテルを貼り、封殺しようという空気をマスコミが、そこに登場するパヨク、もとい有識者が作り出しています。
米国が「ポリティカル・コレクトネス」に失敗し、「トランプ現象」を生み出した最大の理由は、過剰な寛容を求める余りの不寛容と、その過剰さ。まるで、健康のためにとダイエットを始めたものの、わずかな増加に怯える強迫観念にとらわれ精神を病むかのようです。トランプ大統領の勝利演説に「人の振り見て我が振り直せ」との格言を思い出します。
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