日本人よ、国連信仰から脱却せよ(その2)

 次のような情報に接しました。これもネット上で大きく話題にされているようです。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/27/united-nation-okinawa-native_n_9791804.html

これまでに国連の人種差別撤廃委員会などは、沖縄の人々を先住民族として認め、土地や天然資源に対する権利を保障するよう日本政府に法改正を求めている。2014年8月には「沖縄の人々は先住民族」として、その権利を保護するよう勧告する「最終見解」を採択した。
これについて宮崎氏(自民党議員――引用者注)は「国益に関わる大きなリスクだ。尖閣諸島を含む沖縄の土地や天然資源が、どこに帰属するのかを問題にされかねない話だ」と批判。「多くの沖縄県民は先住民族だと思っていません。誠に失礼な話だと思う。民族分断工作と言ってもいいようなことを放置しないでほしい」と政府への対応を求めた。
外務省の飯島俊郎参事官は「政府として先住民族として認識しているのは、アイヌの人々以外には存在いたしません。これら(国連の)委員会による最終見解や勧告などによって、日本の立場が変更されたということはございません」と答弁した。
また木原・外務副大臣は、沖縄県・豊見城市議会が国連勧告撤回を求める意見書を採択したことに触れ「政府の立場と異なる勧告や、実情を反映していない意見については、事実上の撤回や修正をするよう働きかけていきたい」と述べた。

 いかがですか。ここで宮崎議員が「民族分断工作」と述べているその主体がだれ(どこの国)を指しているかは言うまでもないでしょう。国連は、明らかにこの勢力に加担しているのです。その国が尖閣のみならず、次なる目標として沖縄の領有を狙っていることは、しきりに問題にされています。
 それにしても、外務省の答弁も一応優等生的に答えてはいるものの、本当にやる気があるのかどうか、この官庁のこれまでの姿勢から推して、はなはだ心もとないと言わざるを得ません。なぜ「働きかけていきたい」などと弱腰の表現で済ませて、「断固撤回するよう、強く要求していく」と言えないのでしょうか。
 以上によって、国連が「ちょろい」日本をいかに舐めてかかっているか、そうしてその姿勢を利用する反日勢力がいかに狡猾に「戦勝国包囲網」を作り上げようとしているかが明らかになったと思います。繰り返しますが、私たちは、偉そうな「上から目線」で日本にあれこれ提案したり要求したりしてくる国連の言うことを、けっしてまともに受け入れてはなりません。臨機応変につきあっておく必要はあるでしょうが、わが国の国益は国連の勧告などより常に先立つのだということを肝に銘じましょう。

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西部邁

小浜逸郎

小浜逸郎

投稿者プロフィール

1947年横浜市生まれ。批評家、国士舘大学客員教授。思想、哲学など幅広く批評活動を展開。著書に『新訳・歎異抄』(PHP研究所)『日本の七大思想家』(幻冬舎)他。ジャズが好きです。

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