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人工知能の進歩はすさまじい。10年間は無理と言われていた囲碁でも世界トッププロを4勝1敗で破った。ある程度人の助けを必要としたとは言え人工知能が書いた小説が星新一賞を受賞した。自動ブレーキの機能を搭載したスバル車は非搭載車に比べ事故率は61%減少したという。
人工知能が人の生活を大きく変えようとしているのは明かだ。ところで最近(2016年2月)グーグルの自動運転車が事故を起こしたというニュースが流れた。自動運転車は怖いという印象なのだろうか。グーグルは2009年から53台の自動運転車を使い224万kmの走行テストを実施し、合計17件の事故が発生した。その内訳は
16件 ・・・ 相手側の過失
1件 ・・・ 自動運転車の過失
ということだ。グーグルは事故の責任を認め、ソフトを改良し、二度と起きないようにした。これで運転手のいない自動車など怖くて乗れないと結論すべきなのだろうか。
もしこの車を平均的な運転技術を持つ人間が運転していたとすると、相手側の過失(人間の過失)は変わらず16件だっただろうが、この運転車の過失も16件だったに違いない。なぜなら平均的な人間はこの確率で事故を起こすのだから。ということは、人間は人工知能による自動運転車の16倍も事故を起こすということだ。人間の運転する車のほうが16倍も危ないということを意味するし、自動運転車は16倍も安全といえる。しかも、自動運転車は事故の度にソフトを改良するから事故の度に更に安全になるが人間が運転するとそうはいかない。
もちろん、まだ問題は山積だ。センサーが、雨粒や雪粒を障害物と認識し走行不能になる可能性がある。道路上に落ちている石とシワだらけの紙の区別が出来ない。日差しが強い状況下ではセンサーの解像度が下がり、信号が読み取れない場合もある。目的地までの地図情報を入力する必要があり、地図情報のない場所では走行できない。まずは、条件の整った場合のみで自動運転を行い、だんだんその範囲を広げればよい。
自動運転のメリットは多い。自動運転車があればタクシーはいらない。スマホで呼び出せばすぐに指定された場所に車が来てくれ、運転手なしなら料金は10分の1でよい。事故も10分の1以下に激減するし、自動車保険も交通警察も不要となり渋滞も劇的に緩和される。都会では1家に1台、車を持つ必要は無くなる。
運転免許を持たなくても車は乗れるから障害者でも酔っ払いでも子供でもどんどん利用するようになる。例えば電気製品を買いたいと思ったとき、スマホで注文すると、すぐに販売店の倉庫で自動運転車に乗せられ、購入者の所へ運ばれる、代金は自動で引き落とされる。ドローンによる配送に加え物流も革命が起きそうだ。人手が掛からない。
これぞ理想の世界「労働はロボットに、人間は貴族に」という世界だ。
小野盛司
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