TPPは問題だらけ?~TPP問題をめぐる高橋洋一氏のデマを斬る!!~前編
- 2015/11/17
- 経済
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TPP反対論者は嘘つきだらけなの?
TPP大筋合意直後に書かれた高橋洋一氏のコラムがあります。
TPPをめぐる「3つのデマ」を斬る!~「アメリカの言いなりになる」論の根拠を徹底検証
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45896
あまりにも、酷い内容だったのでどうしてもしっかりとこの記事の間違っている部分について解説したいと思ったので、今回は複数回に分けて、この記事にあるデマを3点ほど解説したいと思います(細かく突っ込んでいくともっといくらでもオカシイを思える点があるのですが、論点を絞るために3点とします)。
いきなりデマから始まるコラム
このコラムの最初の見出しは
「盲腸の手術に700万円かかるようになる」だって?
となっています。続いて
やっと環太平洋経済連携協定(TPP)が大筋合意になった。そんな折に、ある人から「日本がTPPに参加すると、盲腸で700万円掛かるようになる」と聞いて、驚いた。どうも関西のテレビ番組のなかで、TPPについてそんなことを解説するジャーナリストがいたそうだ。
とあるのですが、実はこれが全くのデマなのです。この記述は、おそらく、関西の朝日放送で10月17日(土)に放送『正義のミカタ』に出演した堤未果さんのことを指しているのでしょうが、実際には堤未果さんは、そのようなことは一言も言っていません。堤さんの主張は、おおよそ次のようなものです。
アメリカでは、無保険者は盲腸の手術で700万円かかるケースもある。日本では、手術代も安く抑えられ、国民皆保険制度もあり、すべての人に保険が適用されるため盲腸の手術がこれほど高額になることはないが、TPPではアメリカは医療制度の改変も要求しており、日本もアメリカのような医療費が高額となる制度に近づけられてしまうかもしれない。
どうでしょう。このような主張をしているコメンテーターに対して、「TPPに入ると、盲腸の手術に700万円かかると言っているコメンテーターがいる」「アメリカも、他国の公的保険をアメリカ並みにせよなんて馬鹿げたことは決して言わない。」などと言うのは、全くフェアではないし、はっきり言ってデマ情報であるとしか言いようがありません。
高橋センセイ言い逃れは止めてください
しかし、高橋洋一氏が卑劣だと思うのは、このようなことに関して、はっきりと「関西のテレビ番組でコメンテーターがTPPに入ると盲腸の手術代が700万円になる」とは言い切っていない点です。氏はこれらについて、
「ある人から~聞いて、驚いた」
「関西のテレビ番組のなかで、~解説するジャーナリストがいたそうだ。」
「そのジャーナリストは、~ということを話したとか。もし本当なら大変なことだ。」
と断定せず、あくまで、伝聞のカタチを取っています。しかし、この番組はYouTubeでもアップされており、本当にそのように発言したジャーナリストがいたのかなど、簡単に確認できます。そんな誰でもできる確認もせずに、このようなデマ情報を垂れ流し、中盤では、
そこで、冒頭に書いた「日本がTPPに参加すると、盲腸で700万円掛かるようになる」という話が出てくる。
などと書いているのです。そもそも、伝聞でしかなかったハズなのに、ここではサラッと、「TPPに参加すると盲腸で700万掛かるようになる」とあるジャーナリストが発言したことが事実であるかのように書かれている点が非常に悪質であると感じます。
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〉アメリカでは、無保険者は盲腸の手術で700万円かかるケースもある。日本では、手術代も安く抑えられ、国民皆保険制度もあり、すべての人に保険が適用されるため盲腸の手術がこれほど高額になることはないが、TPPではアメリカは医療制度の改変も要求しており、日本もアメリカのような医療費が高額となる制度に近づけられてしまうかもしれない。
これって要約するとtppに入ると盲腸の手術で700万円取られるような制度に近づくかもって言ってるのと同じじゃないですか?
ここで言う「アメリカのような医療費が高額になる制度」というのは盲腸の手術で700万かかるって事を指しますよね。