マイナンバーの問題点
これらの判決内容を確認した上で、マイナンバーの制度について考えると、マイナンバーの危険性がより理解しやすくなると思います。
まず、管理する情報の範囲ですが、住基ネットでは6情報だけだったのに対して、マイナンバーでは様々な情報が管理、利用され、すでに今後もその範囲を拡大させていくという方針が立てられています。
また、住基ネットは公的機関での利用、運用に限られていたのに対し、マイナンバーでは民間利用を前提としており、なおかつ、こちらについても利用範囲を拡大させることを目指しています。
そして、見える番号が広く流通するにも関わらず、番号の変更は原則として不可能です。住基ネットではいつでも変更可能でしたが、マイナンバーでは番号が盗まれて、なおかつその番号が悪用される恐れがあると市町村長に認められた時に限られます。
マイナンバーでは、複数の機関でデータマッチングが可能ですが、住基ネットでは禁止されていました。
最後にセキュリティを確保すべき範囲の問題ですが、住基ネットでは閉鎖的なサーバと専用回線によりデータの流通管理がなされていましたが、マイナンバーではインターネットにも接続されていますし、民間部門でも広く活用される予定です。
このように、住基ネットでは個人情報の保護のために様々な対策がなされていましたが、マイナンバーではそのような対策がことごとく外されています。
マイナンバーは憲法違反じゃないの?
これでは、安保法制の議論の際にも問題になった法的安定性の確保が困難なのではないか?と思ったのですが、やはり、このマイナンバーでも違憲訴訟が起こされているそうです。
TPP、安保法制、マイナンバーと安倍政権で行われている重要な政策や法案は、ことごとく違憲訴訟が起こされているようですね。まさに、違憲3本の矢とでもいったところでしょうか。
「この道しかない!!」
「岩盤規制を打壊すドリルの刃となる!!」
と別にそれは構わないのですが、せめてしっかりと憲法や行政上のルールを守った上で、様々な政策を進めていって欲しいと切に願います。
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