伊集院のブスネタおもしれー
助手:――というわけで、伊集院光のラジオこそ、「ミソジニー」と「ホモソーシャル」の権化だ、という話からだけど……。
妹:前回までの要約ありがとう、お兄ちゃん。
編集長:前回の記事はこちら!!「ドクター非モテの非モテ教室(その一)」
博士:ふん! ヤツはあまりにもブスを叩くネタを多用しすぎじゃ!
例えば、2008年から今年の初頭まで続いていた、「デブとドブスがコンブリオ」のコーナー。これはデブやドブスの様々な発言やシチュエーションを想像し、笑いものにするというコーナーじゃ!
助手:だから博士、何故そんなに詳しいんですか……?
博士:うるさい! いかに伊集院がミソジナスな心性の主か、同コーナーを引用*1することで証明して見せようぞ!
妹:「見せようぞ」ってアンタ……。
1.「あ、私の中のロマンティックが騒ぎだしてる」って言うドブス
2009年1月26日放送2.いろいろあったホームルームの最後に、感極まって涙目で「みんなもっと恋しようよ」とドブス
2009年3月16日放送3.「まあまあ、ここは私のしゃくれに免じて、許してちょうだい」のひと言でたいていのもめごとは丸く収めてしまうドブス
2013年3月1日放送4.合コンに遅れてきて、楽しんごのドドスコダンスをしながら「ブス参入」と言いながら加わるドブス
2011年2月28日放送
博士:見たまえ、同コーナーで読み上げられたネタの一例じゃ。いかに伊集院が女性を憎んでいるか、わかろうというものじゃろう?
妹:まあ、ブスを叩いていること自体は事実でしょうね。伊集院自身、番組中に「自分にゃ甘いがブス叩き♪」と歌っていたこともあったし。
博士:ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ……お前さんも伊集院のミソジニーを認める、ということじゃな?
助手:あの、博士、ぼくたちが話してるのは「ミソジニーがあるかなしか」ではなく、「感情そのものを否定することはおかしい」ってことだと思うんですが……。
妹:そう、教条的ないい悪いはまず置いて、上に挙げられたネタを見て、気づくことがないかしら?
助手:えぇと……ミソジニー云々以外で……?
妹:伊集院のブスネタは、主に二種に分けられると思わない? お兄ちゃん、ここまで言えばわかるわね?
助手:……………(長考)そうか、わかったぞ!
1.や2.のようなブスについて、伊集院は否定的だ。それに対して、3.や4.のようなブスについては、「いいブス」という言い方をする。
妹:そうね。じゃあ、そうした判断はどこによってなされているのかしら?
助手:つまり――「わかってるブス」と「図に乗ってるブス」かなあ?
妹:そう、自らの女子力のなさに自覚的になることで集団に溶け込んでいるブス、それと本人の女子力とが見あわないまま、「私はいい女」という自意識を持ち続けるブス、とも言えるわね。
伊集院の後者への攻撃が苛烈であることは否定しないけど、前者には共感的なのよ。
ここまで来ると笑えねえよ!(でも笑う)
博士:な……けしからん、ブスブス連発しおって……!!
妹:テーマがテーマだから、勘弁してちょうだい。そもそも、このコーナーは「デブとドブス」の両方を笑い飛ばそうという企画よ。
博士:バカを言え、伊集院がいかにデブだろうと、非モテだろうと、この男性支配社会における、女性の置かれた境遇と同一視していいことにはならぬわ!
妹:そうしたフェミニズムをフォーマットにした空論には同意できないけど――しょせん、男が女を理解することに限界があることは確かね。
でもね、同コーナーで読まれた中で、非常に印象的なネタがあったの。
「もう自分の見てくれにあきらめはついていたはずなのに、笑い飛ばして明るく生きるって決めていたのに、ブスブス言われるとへこむわあ、やっぱへこむわあ」と言って、突然泣き崩れるドブス
2010年3月1日放送
博士:む! 伊集院は、そうしたブス――い、いや、男性支配社会のジェンダー構造から脱落した女性を嘲笑っておるというわけじゃな!
助手:いや……このネタを読み上げた後、伊集院は「ゴメン」を連発して、言ってたよ。
そこはほら、クソデブとドブスで「トムとジェリー仲よくケンカしな」みたいなさ、「ブス~とデブ♪」的な、そういう感じで(つきあいたいと)思ったんだけど、ダメかなあ?
妹:伊集院は自らのラジオを「男子校」とか「ダメッ子大集合」と形容しているわ。
まず、伊集院の中には自らやファンであるリスナーたちが弱者男性であるとの、大前提がある。モテないことへの、悲痛な自覚があるのよ。
*1 以降、コーナーネタなどについては「深夜の馬鹿力データベース(http://ijuinmania.blog84.fc2.com/)」、「脳汁(http://www31.ocn.ne.jp/~double_dragon/thisistop.htm)」などを参考にさせていただきました。
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