日本が取るべきグローバル化はラグビーか剣道か
- 2015/9/28
- 文化, 社会
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自分たちの土俵で戦う方法
さて、ラグビーの話題を取り上げてきましたが、イングランドで生まれで、基本的に日本はルールメイキングに携わるチャンスのないラグビーとは違い、日本発祥であり、国際化されている競技があります。それが、剣道です。
全日本剣道連盟のHPを見ると、以下のような記述があります。
全剣連は、このような日本独特の文化・武道である剣道をさらに普及させていきたいと考えていますが、一方、剣道の普及とは、単に剣道人口を増加させたり、試合を数多く開催することではありません。正しい普及とは、日常の稽古や試合という競技の剣道を通じて、武士の精神を多くの人々に伝えることです。単なる競技として広めることではないのです。
このページには同じ文章が英語でも掲載されており、間違いなく海外の剣道愛好家へも向けられたメッセージと言えます。
最近では、韓国が「コムド」という剣道に類似したスポーツをオリンピック化しようとしているということですが、「コムド」は剣道ではないと表明した場合、オリンピックで開催する価値があるのでしょうか?
そもそも、オリンピック自体が大型資本の導入で、スポーツの祭典という観点よりも、周辺ビジネスの活性化の方に主眼が置かれており、正式種目となることで、選手を取り巻く業界にも大きなお金が降りてくると言われています。
韓国はそのオリンピックマネーを求めているとも、伝えられているわけです。
必要なのは価値の体現者として発信する覚悟
極端な話ですが、サッカーやラグビーのワールドカップやオリンピックに参加する際、日本代表の立ち位置は間違いなく、参加チームの一つです。
しかし、柔道や剣道といったいわゆる「国技」となるとそういうわけにはいきません。
7年ほど前になりますが、日本では有名な山下泰裕氏が国際柔道連盟の理事選に敗れた際も大きなニュースになっていました。
「国技」と名乗る以上は、国際大会で勝たなければいけません。そのためには、国際連盟などのルールを作り出す運営側で主導権を握り、そもそもルールの運営を目的に合致したものにしなければなりません。
それが、商業ベースに落としこまれると、ランキング制など、その競技の本意とは違ったところが強調されていく可能性があります。
剣道はそういうことを意識しているからこそ、自分たちの守るべきところをはっきりさせ、万が一、「コムド」がオリッピックで採用されたとしても、相対的に魅力を無効化できるような広報発信を仕掛けているわけです。
ラグビーと剣道、それぞれの道は真逆のように見えますが、グローバル社会の中で、日本が生き残る道として、選ぶべき、持続的な道といえるのではないでしょうか?
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