総理のジレンマ
ところで、安倍総理がアメリカとの約束を破る、つまり「安保関連法案を今国会で成立させることができなかった」らどうなるのでしょうか?
歴史は、
「アメリカのいうことを聞いた総理の内閣は『長期』になり、アメリカに逆らった総理の内閣は、『短期』になること」
を教えています。
元外務省国際情報局局長・孫崎 享さんの著書「アメリカに潰された政治家たち」は、こんな印象深いフレーズからはじまります。
皆さんは、「日本の総理大臣」は誰が決めているのか、ご存知でしょうか?
「アメリカに潰された政治家たち」 8p)
国民の与り知らぬところで何かが起き、いつのまにか総理の首がすげ替えられることは日本ではよくあります。
しかも、政権が代わるたびに、日本におけるアメリカのプレゼンスが増大しているのです。(中略)
そして、そのときに失脚した政治家は、おしなべてアメリカを激怒させる「虎の尾」を踏んでいました。
(同上 10p)
孫崎さんは、要するに「日本の総理大臣を決めているのはアメリカだ!」と主張している。これ、市井の「陰謀論者」ではなく、元外務省国際情報局局長の言葉であることが重要です。興味がある方は、是非ご一読ください。
安倍総理は、「アメリカとの約束をはたせなければ、『お払い箱になるかも』」と恐れているのではないでしょうか?
つまり、安倍総理のジレンマはこうです。
1.アメリカとの約束を果たさなければ「首」になるかもしれない
2.しかし、民意を無視して強行採決すれば、支持率がさらに下がり政権崩壊の危機につながるかもしれない
「強行採決しなければ」アメリカのパワーで政権が崩壊するかもしれない。
「強行採決すれば」民意で、政権が崩壊するかもしれない。
「どっちにいっても政権崩壊??」
のこる道は、国民に「安保関連法の重要性」を納得してもらうこと。
ところが、みんなあせっているので、「報道機関に圧力をかけて」「憲法学者が何いっても関係ない」などなど、むしろ「国民の信頼を失う方向」にむかっている。
安倍総理は、この危機をどう超えることができるのでしょうか?
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