基礎的財政収支に関する質問主意書とその答弁書
- 2015/7/7
- 経済
- 安倍晋三
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福田昭夫衆議院議員にお願いしておいた質問主意書に対する安倍総理から答弁書が返ってきたので、それを紹介する。詳しくは次のサイトを見て頂きたい。
→ 基礎的財政収支に関する質問主意書とその答弁書
増税でなく減税。歳出抑制でなく拡大が、デフレ脱却に必要な政策
【質問】
日本経済はデフレから脱却したのか。
【回答】
デフレ脱却までに至っていない。
【質問】
基礎的財政収支は、景気がよくなれば改善し、景気が悪くなれば悪化すると考えるが、同意するか。
【回答】
一般論としては、持続的な経済成長は、税収の増加を通じて財政健全化に資することとなる。
【コメント】
まず、デフレ脱却ができたのかという質問から始めた。それに対してはデフレ脱却までに至っていないとの回答。次の質問は、基礎的財政収支は「景気がよくなれば改善し、景気が悪くなれば悪化する」ということに同意するかと聞いた。一般論として同意するとの回答。そうであれば、景気対策を行って景気をよくすることによって基礎的財政収支を改善するのが王道である。
【質問】
2006年に出された骨太方針2006は2011年度に基礎的財政収支を黒字化するという目標だったが失敗に終わった。今再び骨太方針で2020年度に基礎的財政収支の黒字化を目標としようとしている。骨太方針2006の失敗を繰り返そうとしているだけではないか。
【回答】
お答えすることは困難である。
【コメント】
反論が苦しすぎて答えられないようである。我々は、今年政府が発表しようとしている骨太方針が如何に軽率なものかを詳しく指摘した。骨太方針2006の失敗の原因を調べ、総括しなければ失敗を繰り返すだけだ。骨太方針2006がなぜ失敗に終わった原因を列挙する。
(1)政府の成長率の見通しが甘すぎた。
(2)政府の成長率の目標を達成するために、どの程度の景気対策(真水)が必要かを誰も政府に教えようとしなかった。
(3)歳出を削減しさえすれば、国の借金は返せるという素人判断が失敗を生んだ。
歳出を削減すれば経済は縮小し、税収も減り、財政は健全化しないことはマクロ計量モデルから明らかだった。
政府は基礎的財政収支が改善できれば、世の中バラ色になるがごとく目標を立てる。実際は基礎的財政収支を黒字化したギリシャは地獄の苦しみを味わっている。失業者は26%にも達し、デフォルト間近で経済は大混乱の気配だ。
日本経済をギリシャのようにしたくなければ、基礎的財政収支の黒字化ではなく、財政拡大により成長率を高める政策に切り替えるべきだ。増税でなく、減税、歳出抑制でなく拡大が、デフレ脱却に必要な政策だ。
小野盛司
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