これまでの関連記事は以下をご覧ください。
・他がために金は成る?ーデフレは財務省主導?ー(2014/12/29)
・失われた20年:1997年以降の巨額の財政出動の行方(2015/1/13)
前回記述の最後の部分を再掲します。
“1997年~2014年の17年間に国が使った巨額のお金(財政出動分:522兆円)と乗数効果分(GDP増分)は、ドブにでも捨ててなくさない限り、貸借対照表で言えば資産の部に必ず存在するはずですが誰もこれについて追及するものはいない。1997年~2014年の巨額の使途不明金の解明がなされない限り、日本の経済成長は見込めないと思うのだがどうだろうか。”
財政出動とは、何を以て「財政出動」というか、混乱することを避けるため簡単に説明を付け加えておきます。
財務省の資料に基づいて言えば次の三つの視点からみることができると思う、
イ)公債残高から見る場合、 ロ)年度毎の実際の国債発行額、 ハ)国(政府)の借金残高から見る場合、
イ)の場合、2014年から1997年を差し引いた残りの17年間を指す、本件の場合522兆円(本稿ではこれ)を指す。
ロ)の場合、1998年度から2014年度までの毎年度の国債発行額の17年間分を集計した金額626.8兆円になる。
ハ)の場合、3か月毎に公表される「国債及び借入金及び政府保証債務」の残高合計・・・本件の場合、1997年9月分から2014年9月残高分から1997年9月残高を差し引いた金額、676.3兆円になる。
本論に戻ります、
A)政府が初めて財政出動したのは1965年度、その年から1980年の16年間では70.5兆円の財政出動をして→名目GDPは213.3兆円増加している。
B)1981~1997年では187兆円の財政出動で→280兆円GDPが増加している。
C)1998年以降は522兆円の巨額の財政出動をしたが→GDPは40兆円マイナスになっている、巨額の財政出動をしてマイナスGDPとは摩訶不思議です。
上記(A)、(B)では、乗数効果が働いている・・・これが正常であって(C)は何らかの異常(不正?)な作用が働いたとしか考えざるを得ない。
ちなみに、アメリカはなんと1997~2014年の17年間の年平均成長率は約4.2%(8兆6085億ドル→17兆5449億ドル・・・2014年の値はOECD Economic Outlook Volume 2014 Issue 1データより筆者の試算値)。
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