消費税増税の問題点

10月1日に安倍首相が4月からの5%から8%への消費税引き上げを決定し、現在TVやネットでもその問題について色々と話題になっています。

私も4月からの消費税引き上げには反対なのですが、ここでネットや雑誌でよく見かける消費税反対論者の意見をまとめてみましょう。

消費税増税は、法人税減税がセット!?

「消費税は、富裕層以上に中流層や貧困層にとって大きな負担となる逆進性をもった税である!!」
「物価が上昇して庶民の生活が苦しくなる!!」
「財政再建のために消費税を増税すると言ってたのに、同時に法人税を引き下げたりするのはオカシイ!!」
「そもそも、1997年に橋下政権が消費税を3%から5%へと消費税を引き上げた時は、消費税による税収は増えたが、景気悪化により所得税と法人税がの税収が減り、税収全体ではむしろ税収が下がった!!財政再建のためにも消費税は上げないべきである!!」

どれも正しい意見だと思います。現実に、現在のような不況にあっても一部の企業は過去最高の水準まで内部留保を貯め込んでいますし、所得上位の富裕層にとっては3%消費税で物価が上がったところでそれほど生活苦に陥ることはないでしょう。また財政再建のためにやるなら当然同時に法人税を引き下げるのはおかしな話ですし、過去橋本政権の時代に消費税を引き上げたときは全体の税収は減少しました。税収全体が落ち込むのであれば、財政再建を目的として消費税増税をしたのに結果的に財政が悪化するというなんとも本末転倒な結果となってしまいます。

これらの問題はどれも正しい認識だと思いますが、今回はあえてこれらの主張を繰り返してる人たちが意外と見逃しがちな盲点となりやすい消費税増税の問題点を指摘してみたいと思います。

現在のようなデフレ期では、供給側は企業間の過当競争に陥っており、消費税の増税分を容易に商品の販売価格に上乗せできません、そうなると消費税の分だけ原材料や仕入れの価格は上昇しているのに販売価格を値上げできないために収益を圧迫するという問題が発生します。

→ 次ページ:「一時しのぎにしかならない消費税増税」を読む

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西部邁

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