現代人はインターネットメディアと如何に付き合って行くべきか?

前々回の記事では、インターネットという新しいメディアには様々なメリットとデメリットが存在し、そのメディアを使っていくにあたってその利点と危険性の存在をしっかりと認識していくことが重要であると説明し、その次の記事では、具体的にそのインターネットというメディアの使用がどのような危険性を孕んでいるかという問題について具体的に解説しました。

そして、今回は、ではその危険性を認識した上で現代人はどのように上手くネットメディアを活用していくべきか?という事について、私なりの提案をしたいと思います。

具体的な提案の前に、まず初めにこれまでインターネットの日本の一般家庭での使用におけるメディアのあり方の変遷を非常に大雑把に説明します。

インターネット黎明期のコミュニケーションの特徴

1995年にマイクロソフトがウィンドウズ95を発売しインターネットのWWWやEmailが本格的に家庭で使われるようになりました。その後、一般に普及したもののインターネットのWebサイトを作成出来る人間の数はそれほど多くもなく、大多数の人々は、インターネットを情報発信のツールというよりも情報を手に入れるための便利なツールであるとみなしていたと思います。当初は、サイトを作成する知識や技術がない多くの人たちが何か自分の考えを発信する際は、掲示板等を利用して書き込むのが一般的であり、積極的に書き込む人の数もある程度限られており、今ほどインターネットをコミュニケーションのツールとして認識する人々は多くなかったでしょう。

その後、ブログなどのサービスが開始され誰でも気軽に自分自身のサイトを持つことが可能になります。そして、それとおおよそ同時期にmixiやGREEといったソーシャルネットワーキングサービスが開始され、瞬く間に流行し、インターネットは単に情報を収集するためだけの道具ではなくなり、他者とのコミュニケーションを図るためのツールであると認識されるようになり、また実際にそのように利用されるようになります。ただし、この時点では、多くの場合ソーシャルネットワーキングサービスにおける繋がりは主に現実に顔を知っているような知り合いが中心であり、基本的には現実の世界における知人や友人達とのコミュニケーションを補完するような役割を果たすことが多かったといえるでしょう。つまり、ネットでのヴァーチャルな空間でのコミュニケーションと現実世界のリアルなコミュニケーションがおおよそ地続きになっていたのがこの時期のインターネット上のコミュニケーションの特徴であるといえます。

→ 次ページ:「物事や状況の価値判断能力の衰退を招いたヴァーチャルコニュニケーション」を読む

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西部邁

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コメント

    • 金星宏幸(きんせいひろゆき)
    • 2016年 5月 04日

    その通りだ!!(T_T)今は便利に為っただけで時価に行動すること、経験、体験する事の意味、夢や希望は行動に移してこそ意味があると言う事だ!!(T_T)昔は今みたいにインターネットも無いから調べる事も出来ない上に考えて人は行動に移した者だ!!(T_T)便利はやがて崩壊する末路とも言われて居るのだ!!(T_T)人は何かを為し遂げる為に努力や行動に移さないと行けないとも言う事だ!!(T_T)便利の弊害はやがて世界中にやって来ると思いますよ!!(^_^)

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