『夢幻典』[参式] 沈黙論
- 2016/11/24
- 思想, 歴史
- feature7, yume
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沈黙。
沈黙を沈黙と語るなり。
沈黙を沈黙と語らぬなり。
語らぬとして、語るなり。
故に、それによって、語らぬことを示すなり。
有と無と思想が語られた。
無において、零から一が生まれた。
だから、一であった有から、複数の有が生まれた。
その捏造の痕跡は消され、生活世界が展開される。
だからそれは、祝福されるべき事態。
ゆえに、そこに沈黙は有り。
ゆえに、そこに沈黙は無し。
ゆえに、そこに沈黙は有りとも無しとも、有り。
ゆえに、そこに沈黙は有りとも無しとも、無し。
有において、在ること。
生活世界において、分けて分かること。
一を二へと。
それは素晴らしきこと。
だた、その次元をずらし意識を向ける法あり。
それも、素晴らしきこと。
次元をずらす。
二を前の一へ。
二を先の多へ。
二を新たな一へ。
ゆえに、新たな二へと。
新たな二を、さらに新たな一へと。
二項対立。
破壊と創造。
重層化。
循環構造。
連環理。
問題を問題で無いことへと。
問題を新たな問題へと。
新たな問題を、問題で無いことへと。
問題で無いことを、新たな問題へと。
重層構造の循環構造。
生じること、滅すること。
生じることは、滅すること。
その前へ置き、生じること無き、滅すること無き。
その後へ置き、生じること無き、滅すること無き。
生死において、生も死も無し。
生死が起こりえるところにおいて、生死の問題無し。
その前へ置き、その後へ置き、まさにそこに置く。
そこにおいて、生死の問題無し。
ゆえに、生死の問題有り。
繰り返しが、繰り返される。
幸福と不幸。あるいは真実と虚偽、善と悪、美と醜。
その認識の以前へ戻り、あるいは以後へと進む。
すなわち、その認識の外に留まること。
幸福無し、不幸もまた無し。
真実も虚偽も無し、善悪も無し、美醜も無し。
無しにおいて有りが、有りにおいて無しが。
そして、智恵と無知において。
この対立の進展によって、因果の逆転が起こる。
ここに智恵の優位性が示される。
智恵の優位性を否定することによって、
その優位性が示される。
ここに言葉の問題が立ち上がる。
作為と無作為の二が選ばれる。
その進展において、無作為が選ばれる。
正確には、無作為への変換が行われる。
言葉の成立の後に、言葉の滅却へと至るなり。
沈黙を宣告する沈黙。
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