自動運転タクシーとドローン配達の実証実験

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「労働はロボットに、人間は貴族に」という方向に、社会は動きつつある。その例が自動運転タクシーとドローン配達の実証実験である。

政府は12月14日、千葉市を国家戦略特区に指定しドローンを活用して、医療用医薬品や生活必需品を宅配できるようにする方針を固めた。
ネット通販大手の米アマゾン・ドット・コムが参入予定である。

ドローンには衝突防止のための、機体間コミュニケーション機能をもち、コンピュータの急速な進歩で、将来益々安全で素早い配達が可能となる。
GPSやWi-FI接続を備え、飛行禁止区域などの警告を感知できる。ドローンの着陸する場所を確保できる家庭に配達することになるが、マンションのベランダ等を考えているようだ。将来的には家を建てるときには、駐車場以上にドローンの着陸場所の確保が重要になってくるだろう。配達コストは通常の8分の1、配達時間は4分の1になるというから、圧倒的な競争力になり、省力化に大きく貢献する。もともと日本の小売業の生産性は米国の2分の1以下と言われているので、非効率に使っている人材を一気に別分野に移動させることにより、人手不足の解消にも役立つ。

ドローンは復興工事の工期の短縮のために使われようとしている。石井国土交通相は、東日本大震災の被災地で進む復興工事で、2016年度から、ドローンを積極的に活用する方針を明らかにした。このように人工知能は、公共工事の省力化にも役立つ。

自動運転タクシーの実証実験も、来年初めから開始すると政府は10月1日に発表した。神奈川県湘南エリアを皮切りに、来年3月までに宮城県仙台市、愛知県名古屋市でも実施する予定である。安全のため、実験中は運転席に乗務員が座り、緊急時に適切な対応を取れるようにする。事故の9割は人為的ミスによるものだと言われており、もし事故率において自動運転車が人間の運転手を大きく下回れば、自動運転車に免許を与えるべきだろう。
その場合、人間は原則運転禁止にすべきだ。これは車に限らず、列車や航空機も同様だろう。そうなれば、人間は交通事故の加害者になることがなくなるし、酒を飲んでいても、眠くてたまらないときも、車に乗ることができる。このように、人工知能などのITが人間の替わりに働いてくれる時代が来ようとしている。企業はIT導入で人件費を減らして利益を上げ、給料は上げようとしない。日本全体でみると可処分所得は増えないし、むしろ減少するからIT導入はデフレ圧力になる。デフレスパイラルになれば、経済は縮小するだけで、進歩は生まれない。デフレ圧力に対抗できるのは政府しかない。増税でなく減税、歳出削減でなく歳出拡大によって、デフレ脱却することが、日本を豊かにする最善の方法だ。

小野盛司

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