第10回 産経新聞社からの回答書

産經新聞からの回答

「トークライブ『日本を移民国家にしてよいのか』についての公開質問状に対する御回答書」
平成26年7月10日
産経新聞社 雑誌「正論」編集長
●●●●

前略 平素より、雑誌「正論」には格別のご配慮を賜りまして、まことにありがとうございます。また、7月6日に開催されましたトークライブ「日本を移民国家にしてよいのか」では、ご熱弁を振るっていただき、会の成功にひとかたならぬご尽力を賜り、篤く御礼申し上げます。
早速ですが、7月8日付で私、●●あてメールで頂戴した標題の公開質問状について、お答えいたします。
回答させていただく前に、今回の記事の出稿ならびに掲載の経緯と、返答が私の名前によるものとなった理由を説明させていただきます。
まず、記事は、執筆者が正論編集長である私と相談したうえで作成し、私の責任において出稿したものです。従って、内容についての責任は私にあります。
また、産経新聞本紙は、正論編集部として出稿した記事を一字一句変えずに掲載しています。本紙が雑誌「正論」に記事スペースを与えたとお考えいただきたいと思います。
産経新聞としてのお考えをお尋ねの質問もありましたが、このような経緯から、社として回答させていただくうえでの担当者は、私・●●(※)が適当だと考えます。
以上のことを理解していただいたうえで、以下をお読みいただきますようお願い致します。

(1)今回の企画の発起人であり、移民問題連絡協議会代表である西尾幹二先生ではなく、何故、一パネリストに過ぎない私の発言のみを報道したのか?

回答:現在、推進・検討されている外国人労働者受け入れ拡大策、あるいは移民政策について、雑誌「正論」誌上で最初に問題提起をしていただいたのは関岡先生です(今年5月号)。保守系の雑誌媒体の中でも把握している限り最初の問題提起であり、先生の御論考への読者の反響は大きいものがありました。さらに、その御論考を産経新聞で紹介したコラム「異論暴論」(4月1日付)はたいへん大きな注目を集めました。
その意味で、産経新聞の読者にも、関岡先生はこの問題について考えるうえで欠かせない識者であると理解されていると考えています。
以上のことから、関岡先生のコメントを使わせていただくことにしたものです。

(2)私の第1部および第2部を通した全発言の中で、何故、当該部分のみを報道したのか?

回答 : 今回のトークライブでは、これまで弊誌では触れられていない観点が示されました。外国人労働者の受け入れは、①日本人が加害者になる、②日本が労働者を送り出す外国に依存することになる―の二点です。その意味で、この二点に関することを盛り込むことが記事のニュース性を高めると判断いたしました。そして、これらの論点を(結果的には①のみとなってしまいましたが)具体性をもって説明できる材料として、今回コメントとして紹介させていただいた問題点が適当だと考えました。

(3)産経新聞は、当該部分が今回のトークライブのエッセンス(最重要論点)だと考えているのか?

回答 : 記事を作成するうえで、何が重要な論点かを判断する基準はさまざまです。外国人労働者受け入れや移民問題に関する記事はすでに産経新聞紙上でたびたび掲載されています。それも踏まえたうえで、(2)でご説明した通り、よりニュース性の高いこの観点を優先して盛り込むことも記事づくりの上では重要だと考えました

(4)もし(3)の通りでないなら、何故、当該部分のみを報道したのか?
回答 : (3)でお示しした通りです。

お尋ねの4点についての回答は以上です。
今回の問題につきましては、引き続き真摯に対応させていただく所存です。
何卒、宜しくお願い申し上げます。
                                  不一

 産経新聞社から回答書が届いた。差出人は「産経新聞社 雑誌『正論』編集長」名になっている。産経新聞社は、「新聞」と「雑誌」のあいだに一線を画し、これはあくまでも「雑誌」サイドの問題で、「新聞」は無関係だという体裁をとりたいのであろう。回答文でも、産経新聞については「本紙」と表記し、雑誌「正論」については「弊誌」と使い分けていることからもそれは明白である。
筆者が問題としているのは、あくまでも7月8日付の産経新聞の記事なのだから、このやり方は到底受入れられない。

→ 次ページ「引き続きこの「回答書」の受け入れられない不可解な点」を読む

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西部邁

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