政府が質問主意書で日銀は長期金利を0%にできないと主張

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9月21日、日銀が長期金利を0%程度にするという金利目標を発表した。日銀にすれば、そんなもの余裕でできるし、現在の国債購入ペースはそれ以上の金融緩和をやっているということだ。
しかし、長期金利を0%にするということは、金利を急騰させないということである。このことは、国債の暴落はあり得ない(つまり長期金利の暴騰はなし)ということを意味する。更に内閣府の経済見通しでは、今後金利はどんどん上昇していくとなっているが、その前提が崩れるということでもある。
このことを政府に質問主意書(平成28年9月27日提出、質問第18号)で聞いた。

政府の答弁書(答弁書第18号、内閣衆質192第18号)では、長期金利は市場が決めるものだとし、暗に日銀は決められないと主張し国債暴落は無くなったということを認めなかった。増税を認めさせるための伝家の宝刀である「国債の暴落」を、この答弁で放棄するとの宣言はしなかった。
しかし、もし放棄しなければ、日銀の政策は無効だと主張することになるわけだから、今後この点で政府を徹底追求していく。日銀にとって長期金利を0%に抑えることは、いとも簡単なことだ。
外資が国債の売りを仕掛けても、金利0%以上の国債を全部買い取ればよいだけで、お金をいくらでも刷れる日銀にとって、資金不足になることは決してあり得ないことだ。

最終的には政府は国債の暴落はあり得ないと認めざるを得なくなるだろう。ハイパーインフレも起こらないと認めたから、だったら「基礎的財政収支の黒字化」も「財政規律を守る」こともしなくてもよいということになる。
しかしこの答弁書では「我が国の財政については、極めて厳しい状況にあり、デフレ脱却・経済再生を図りつつ、その持続可能性を確保することが重要である。」などと言っている。財政が厳しい、つまり財政破綻のおそれがあると言いながら、財務省のホームページには「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。」と書いてある。二枚舌だ。もはやこの論理が通用しなくなったのは明かで、政府が白旗を揚げるまで、我々は追求を続けていく。

質問主意書で日銀の持つ国債を無利子・無期限のものに変えたらどうかと質問した。こうすれば、国の借金と言っていたものが返済不要になるので借金でなくなるからだ。答弁書では政府は「無利子・無期限の債券に経済的価値を認めることは難しい」と主張した。国が日本国債に関し経済的価値は無いと言ってよいのだろうか。
1万円札だって同じだ。価値がないと言えばそうだし、価値があるとみんなが言えば価値があることになる。無利子無期限の国債は価値があると政府が認め、必要なら政府が買い戻すということにすれば価値がある。通貨の信認を失うおそれがあるそうだが、日本円が国内で通用しなくなるということだろうか。日銀の持つ国債を無利子・無期限のものに替えたら通貨の信認が失われると主張するが、日本円が日本の中で通用しなくなったら、経済活動はすべてストップするから日本人は生きていけない。日本円が信認を失うなどあり得ない。

外国人投資家による株の売越額は6兆円を超え、1〜9月としてはこれまでの最高だった。見かけ上、株式市場は平静を保っているが、これは日銀や年金積立金が裏で買い支えているからで、それが無かったら株は大きく値を下げていたに違いない。外国人投資家は資金を引き揚げ、国がそれに替わって株を買い、大企業の筆頭株主として国が次々と登場してきている。

様々なほころびが見えるアベノミクスだが、ここで大型景気対策をして一気にデフレ脱却を目指したらどうか。

小野盛司

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