内政問題だったはずの「靖国問題」を中韓に焚きつけたのは誰か?

話は少し脱線したが、そんな三木首相の靖国参拝報道以降も福田赳夫首相をはじめ、大平正芳首相、鈴木善幸首相、中曽根康弘首相と歴代の首相は靖国神社への参拝を続けた(大平正芳首相以外は、この8月15日に参拝をしている)。ただし、この時まで中国はまだ何も言ってきていない。しかし、昭和60年になり、状況は大きく変わる。

以前、池上彰さんの番組では、中曽根康弘首相が8月15日の参拝に際し、「公的参拝」と明言したことによって問題が再燃。これを受け、中国が正式に「遺憾表明」をしたと紹介していたが、実はここにいくつか省略されている流れがあることを忘れてはならない。いや、そもそも問題視されていたのは、「政教分離」の問題であり、あくまで内政的な問題であったはずだ。しかし、ここで朝日新聞が8月上旬の段階で、「中国が日本の愛国心を問題視している」という記事を出し、以降、その批判記事を書き始めたのだ。

しかも、この中曽根首相の靖国神社への参拝から11日経過した8月26日に、日本社会党の田邊誠をはじめとした一団が中国へ訪れ、これらの報道を見せつけ「何故、中国は怒らないのか?」とたきつけたとも言われている。結果、翌日、中国の副首相姚依林(よういりん)が中曽根首相の参拝を公式に批判することになった。ちなみにこの田邊誠と言えば、ハマコー(浜田幸一)さんいわく、南京虐殺記念館の資金調達まで支援したと噂される人物である。

もちろん、この話のどこまでが信ぴょう性のある話なのかは分からないが、これら多くの根底には、日本側から発せられた情報に端を発することが少なくないという点にある。だから、私も必要以上に「中国が」とか、「韓国が」と一方的に非難するのがあまり好きになれないでいる。

そんな最近の靖国報道を見ていると「分祀論」まで出ているが、ここに存在する内政的な問題はやはり「政教分離」の問題であり、実はそれ以上でも以下でもない。このため、ここでいう公の追悼施設の是非という話は分からなくはないが、「分祀しろ!」と外部が必要以上に迫るのは、一宗教法人に対する過剰介入の恐れがあり、明らかなミス・リードであると感じる。

無論、私は一崇敬者以上の要望を募る考えは持ち合わせていないが、こうした問題の多くは、本質論を大きく逸脱しているが故に、感情論に走りやすいという性質は抑えておかなければならない。安保法制もまた然り。このあたりはまた次回にお話をしましょう。

東條英利の「日本の見方」』より一部抜粋

著者/東條英利
いわゆるA級戦犯とされる東條英機は私の曽祖父でありますが、その直系の長男のみが、この「英」の字を継いでおります。私もその継承者として、時にはこの名を疎ましく思ったこともありましたが、戦後70年を迎える今こそ、この名前がもたらした様々な事実や経験、考えを語ってみたいと思っております。

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