大国の焦り。中国が一方的に「東シナ海ガス田」開発を続けるワケ
- 2015/11/11
- 国際, 政治
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日本の防衛白書では、こうした中国の海洋進出について、「高圧的」と警戒感を示しましたが、これに対して中国側は「強烈な不満と断固たる反対」を表明しています。
[参照]
中国の海洋進出「高圧的」 防衛白書、対話重要性も指摘
中国政府「強烈な不満」表明 日本の防衛白書を受け
外交部の陸慷報道官は日本が発表した2015年版「防衛白書」について記者の質問に答え
さらには、先日衆院で可決された安保法案についても、「専守防衛、平和発展の道を歩むといいながら、安保政策を大幅に変更しようとしている」「このようなやり方が周辺地域の平和と安定に不利な影響を作り出している」「南シナ海に日本は介入し、地域の緊張を煽っている」などと批判していますが、どう考えても緊張を高めているのは中国の方です。
北京週報は「日本の新安保法は歴史の恥になる」などという記事を掲載していますが、それだけ中国にとって安保法案は嫌だったということなのでしょう。であるならば、やはり安保法案の可決は日本にとっていいことだったわけです。
[参照]日本の新安保法は歴史の恥に
人民日報も新安保法案への抗議運動を取り上げていますが、インタビューした男性が「安倍談話に『侵略』『反省』『おわび』などのキーワードを入れろ」などと、中国の主張とまったく一致している点で、やはりこの運動には中国の支援があることが伺い知れます。
[参照]日本各地で新安保法案に抗議 内閣不支持率が初めて過半数に
いずれにせよ、危機的状況にある中国は現在、さかんに国内統一と外敵攻撃を繰り返しています。
先日は、チベットのパンチェン・ラマが習近平に「謁見」したという記事が流れました。宗教的指導者よりも習近平のほうが上だということを改めて示したわけです。現在のパンチェン・ラマは中国共産党に選ばれた人物ですが(ダライ・ラマが認定したパンチェン・ラマは1995年、家族ごと中国共産党に拉致されて現在も行方不明)、「祖国の統一と民族の団結を断固として維持する。習総書記の諄々たる教えと導きを必ずや銘記し、チベット仏教と社会主義社会の相互適応およびチベットの調和・安定の促進のために力を捧げる」と表明したそうです。
[参照]パンチェンが習近平総書記に謁見
その一方で、民主活動家が200人以上も拘束されていることは先週のメルマガでも述べた通りです。中国共産党は、かなり崩壊の危機感を抱え、国内締め付けと反日による統一を進めていると言わざるをえません。
危機感が強くなると最後のあがきとして、政治的に強く出なければならなくなるという現象は、マキャベリの「君主論」でも述べられています。それは古今東西に共有する現象です。習近平は「中華民族の偉大なる復興の夢」を達成するために、海の次は宇宙への戦いを展開しようと目論んでいます。
しかし、南シナ海と東シナ海への主張をみればわかるように、歴史的根拠がないため軍事力で威嚇せざるをえず、そのため結局、軍事力が経済を食いつぶすこととなり、歴史の終焉を迎えざるをえないでしょう。
黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」より一部抜粋
著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!
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