フラッシュバック 90s【Report.9】30分に込められた大人の事情と子どものヒーローショー

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今では考えられないことですが、私の住んでいる地区では、金曜日の夕方から夜にかけてはテレビ三昧でした。
おおよそのスケジュールはこんな形です。
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この時期は、テレビ欄を見ずとも、この順番にチャンネルを変えていったことを覚えています。そして、それぞれの時間帯のアニメは半年~1年で変更されていきました。

テレビアニメの大きな特徴

テレビでアニメを放送する際には、以下の前提が必要になってきます。
①民放であれば、製作サイドは何らかの形で資金を回収する必要あり
②30分の時間を埋めきる必要がある


民法に関しては言うまでもありませんが、アニメの製作サイドはテレビ局に対して、放送する時間帯の枠を購入するわけです。その枠の代金だけでなく、アニメを製作する上での人件費や経費もかかってきます。
製作サイド、あるいは枠のスポンサーにとっては、その枠を買うのに必要な資金を回収しなければいけません。

特に、テレビオリジナルストーリーのガンダムや戦隊モノはこの資金回収が重要になってきます。

そのための手法として、私が覚えているだけでも、以下の3つのCMが流れていました。
1.アニメに出てくるロボットやグッズのCM
2.アニメキャラをモデルにしたソーセージなどの食玩のCM
3.ヒーローショーを行っているホテルのCM

今考えても、投資したことで作成されたアニメのコンテンツを十二分に生かしたビジネスモデルといえるかもしれません。

ある意味で、子ども向けのヒーローアニメはコンテンツビジネスの原形が隠されていたともいえそうです。


テレビ番組は英語というと、「Program=プログラム」になります。語源的に分解すれば、「PRO=さきに」と「Gram=書物」といった感じに分かれます。

つまり、テレビ番組は、先にくみ上げられたものが、指定された時間に、一定の時間放送が行われる、「プログラム」なわけです。

これは、今も変わりませんが、放送者側が最も恐れるのは、視聴率が取れないことではなく、プログラムが埋まらないことなのです。そういう背景から、アニメは質よりも納期優先になることが非常に多いです。

一方で、考え方的には、ある程度の条件を満たせば、表現や脚本などに関しては、非常に冒険できる環境でもありました。実際にプログラムピクチャーの中からその後の巨匠たちが生まれてくるということはアニメ業界に限らず多くありました。

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西部邁

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