日本の野菜が危険食品に。EUが使用禁止した農薬を大幅に規制緩和する暴挙
- 2015/9/11
- 生活, 社会
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その主たる原因はフィプロニルという成分を含むプリンスという製品名の農薬の使用にある。この農薬はイネの育苗箱の上から散布したり、床土に混ぜたりしてイネの苗に吸収させ、イネを食べた害虫を殺す作用を持つ。処理後長期にわたって効果が持続するので使用回数が少なくてすむことと、大気中に散布されないことからエコな農薬と謳われて広く使われているが、もちろんエコというのは真っ赤なウソで、長く効果が持続するということは、害虫にとっては猛毒ということだ。上田によればプリンスで処理した苗を植えた水田ではアキアカネのヤゴは生きていけないようだ。同じ育苗箱処理剤でも、パダンという農薬の場合はヤゴの生育に特段の害はないという。
フィプロニルと並ぶ問題の農薬は、ネオニコチノイド系の農薬だ。以前ミツバチが大量に巣から失踪する現象(蜂群崩壊症候群)が、同時多発的におきて原因が暫く不明であったが、少し前にネオニコチノイド系の農薬が蜂の神経系に作用してミツバチを殺すことが分かった。EUはこれを受けて2013年の暮れから、ネオニコチノイド系の農薬の使用禁止に踏み切った。
然るに日本では、今年の5月に厚労省がネオニコチノイド系の農薬の食品残留基準を大幅に緩和した。たとえば、クロチアニジンというネオニコチノイド系の農薬のホウレンソウの残留基準は13倍に引き上げられた。国民が戦争法案の行方をはらはらしながら見つめている間に、ドサクサにまぎれてひどいことを次々に決める安倍政権は本当に亡国政権だと思う。基準緩和の見直しに当たって、厚労省は2度にわたりパブリックコメントを求めており、2,000件のパブコメの大半は反対意見だったにもかかわらず、基準緩和を決めてしまった。 国民の意見や健康よりも農薬会社(クロチアニジンの製造元は住友化学)の儲けを優先したわけである。
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