フラッシュバック 90s【Report.37】SEALDSの解散に送る言葉~24時間営業が生み出した彼らへのメッセージ~
- 2016/8/26
- 政治, 社会
- 90s, feature3
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「24時間、戦えますか?」とリゲインのCMで言っていたのを覚えている方は、間違いなく、90年代の残党と私が認定しましょう。
バブルから、90年代前半に流行った、このフレーズ。まさしく、90年代以降、24時間年中無休がデフォルトになることを先駆けていたような気もします。そして、このトレンドがSEALDSを作ったといったら言いすぎでしょうか?
24時間営業が広がっていった時代
セブンイレブンというコンビニがありますが、この名称の由来は、「午前7時に開店して午後11時に閉店する」ところから来ています。90年代頃までは、「セブンイレブンいい気分! あいててよかった」とフレーズがありましたが、徐々に「あいててよかった」の部分が消えていきました。
これは、単に「あいててよかった」というところが強みにならなくなったからでしょう。ローソンやファミリーマートも追従し、24時間営業も珍しくなくなっていきました。
まして、1996年にはダイエーが元日営業を開始しており、年末年始やお盆に町が閑散とする期間も徐々に減っていきました。私もリアルタイムにそれを経験してきた世代です。
英語では年中無休のことを、1日24時間、1週7日間のことをもじって、「24/7」と表記したりします。そういえば、ゼロ年代にブレイクする、「24」というドラマもありましたね。24時間でテロ事件や大統領の誘拐を解決してしまうとんでもないドラマでした。
24/7以前の社会の買物を想像する
24時間営業が少なかった、極端ですが、90年代以前の世界を想像してみましょう。
商店街やスーパーは午前10時に開店し、遅くても午後7時には閉店していた時代。この営業時間は間違いなく、日中勤務しているサラリーマンや事業者を想定はしておりません。
となると、日中、買物をする人は誰かといえば、大方の想像通り、家庭で家事を行う専業主婦の皆様です。
専業主婦の方々にとってみれば、家庭は予算を与えられた1つの事業みたいなもので、自分の時間を使って節約できるのであれば、時間を惜しまないものです。逆に言えば、1円安い卵を買うために、5km先のスーパーへ行くなら、その移動時間で小商いをしようと考えになりづらいのが、専業主婦の方々でした。
そういう方々には、惣菜よりも野菜や肉といった、調理加工用の素材がよく売れるでしょうし、冷凍食品も売れ筋ではなかったでしょう。
ただ、厚生労働省の数字によれば、90年代を通じて、専業主婦世帯と共働き世帯が逆転します。
つまり、それまでの業態が相手にしていたメインターゲットも変わっていったということです。
24/7化した社会のオンとオフ
そうして、コンビニだけでなく、社会全体が24/7化していった中、そこで生きる人々にはどのような変化があったのでしょうか。
私自身に言わせれば、社会が常に「オン」になっている状態が続いています。
わかりやすいのが、夜中のネオンです。終電を逃した後、渋谷のスクランブル交差点で友人と待ち合わせをしながら、一服をしていたことがありました。ふと上を見上げると、煌々と輝くネオンに照らされ、夜空はまるで、白夜のように白んでいました。
もちろん、それは一部の都会だけだと主張する人々もいるかもしれませんが、コンビニや最近であれば、郊外型のショッピングモールやロードサイドの牛丼屋など、地方へ確実に24/7化は進んでいっているといえます。
それまでは、社会全体が、「オン」と「オフ」を同時に切り替えていました。テレビの放送休止時間帯は今より長く、夜は町が寝静まっていました。しかし、徐々に社会は「オフ」を排除していき、常時「オン」となっていきました。
しかし、私たちの「オン」と「オフ」は存在します。勤め人であればわかりやすいように、土日やアフター5と就業中は全く違うものです。
その中で、社会が常に「オン」の状態だと、私たちの「オフ」は自ずから、その「オン」に取り込まれていくことになります。
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