窮乏化の進む日本は先進国から新興国へと移りつつある
- 2016/1/28
- 経済
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かつて一人当たりの名目GDPが世界一だった日本だが、デフレ政策が続いたためイスラエルにまで抜かれ今やランキングは世界20位まで下がってしまった。間もなく韓国等にも次々抜かれ日本は先進国から新興国にランクが下がろうとしている。政府は増税で国民からお金を取り上げ、日本国民を貧乏にしている。世界20位と言えば1970年以前の水準だ。
日本は成熟した国だからもう成長しないというのは間違いだ。経済水準は1970年代に戻ったと考えるべきであり、これから追いつき追い越せで挽回を考えるべきだ。確かに人口は当時ほど増えていない。人口増加率は次のようだ。
1960~1970 1.0%
1970~1980 1.2%
1990~2000 0.3%
2000~2010 0.1%
1960年代、実質GDP成長率は10%を超えていた。人口の増加などほとんど関係ない。新興国に成り下がった今、高度成長は十分可能だ。「追いつき追い越せ」という目標で、国民にたっぷりお金を渡せばよい。減税やIT・ロボット・人工知能・医療・介護・福祉・教育・国土強靱化等に財政支出すべきだ。財源は国債を発行して得た資金でよい。
財政拡大により財政への信頼が失われハーパーインフレに陥ると主張する論者がいる。ハイパーインフレは極度の物不足のときにしか発生しないから今の日本には無縁だ。今の税制ではインフレが進むと自動で急ブレーキが掛かるようになっている。これはブラケットクリープと言われている。インフレになり給料が上がると、多くの国民は高所得者になってしまい、税率が上がり、大増税になるので可処分所得が減り消費が抑えられ、物の値段を上げられなくなる。だからインフレは止まる。インフレになったのに、給料が上がらない場合も、実質的に可処分所得が減り、消費が落ち込み、物の値段を上げると売れなくなるから値上げできなくなるのは同様である。つまり、今の日本では、インフレが進み出すと、急ブレーキが掛かる仕組みになっており、一部の論者が使う脅し文句「ハイパーインフレがくるぞ!」は事実無根なのである。
だからこそ、思い切った財政拡大が可能となる。1970年代の経済レベルまで落ちた日本経済だからこそ、当時の高成長は十分目指せる。当時は経済拡大のお陰で、毎年減税を行っていたにもかかわらず、税収は伸び続けた。例えば1960年代には配偶者控除や基礎控除は10万円程度だったが、1980年頃には30万円程度にまで引き上げて減税を行っている。
単にインフレが原因であってもGDPが拡大すれば、一気に国の借金のGDP比が減ってきて、国民も自信を回復する。日銀はお金を刷って、国の借金(国債)を買い取り、借金の大規模な返済を続けており、将来世代へのツケは急速に減りつつある。かつての間違えた経済政策により、日本は新興国並の貧乏な国に成り下がったことを自覚し、これからゼロからやり直すつもりで豊かな国に向かって経済再建を目指すべきだ。
小野盛司
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