萌えキャラで地域振興……に思わぬ落とし穴があった件

　目下、三重県志摩市が発信している海女萌えキャラクター「碧志摩（あおしま）メグ」が話題です。アニメ調の美少女キャラクターによって、志摩市の観光PR、海女さんのPRを行うことが目的であり、実のところ今時はこうした「萌えキャラ」における町おこしは日本各地で行われています。言ってみればゆるキャラであるくまモン、ひこにゃんの親戚みたいなものですね。

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　……ですが、ここで採り挙げようとしているのは、そうしたのんびりとした話題ではありません。
　このキャラクターを「女性を蔑視するもの」と主張する市民が、キャラの市公認の撤回などを求め、署名運動を展開しているのです。「産経WEST」によれば、１３日までに現役海女ら３０９人分の署名を市と市議会に提出したとのこと*1。
　伊勢志摩サミットの開催が決まり、経済効果も見込めようと思っていた矢先に、冷や水を浴びせられた格好です。
　もっとも、署名の３０９人という数に比べ、このメグちゃんのファンはもっと多いようです。何しろ「YOMIURI ONLINE」によればこのキャラクターをあしらった「ＬＩＮＥライン」のスタンプは、２週間で１０か国計約１万５０００人に購入された、とのことですから*2。
　しかし、それにしても、本件が「女性蔑視」であるとの意見はいかがなものでしょう。
　本件についてのツイッターでの声をまとめたtogetter「三重県志摩市の海女「萌えキャラ」を擁護するキモヲタに対する批判の声」*3を覗いてみると、

あぁ、海女さん萌絵の件。本当に日本のPCって腐ってんなと思うばかりで。萌絵がいくら創作であったとしても、あれを受け取る側が実在の人物にも同じような目線を向けたり性対象として扱う事案が発生する限り、ただの創作だからということで野放しにはしてはいけないと思うわ。

海女のふざけた萌え絵の問題は「俺たちこんな女でハァハァしているんだぜ」という「女を性的に見下すことによる団結ごっこ」*4が実害を生むからじゃね。性的とみなされた女ってのは加害される立場に立たされるから（服の露出度と性犯罪被害が関連付けられて自業自得と言われたり）マイノリティ女には恐怖

　といったような調子で、「そんなことを言い出したら萌え文化であろうと非萌え文化であろうと、少しでも性的な匂いのする表現は全否定だよなあ」といった感想しか持てません（上に「PC」とありますが、これは「ポリティカルコレクトネス」であるかと思われます）。
　いえ、「市公認のキャラクターとしてはどうか」といった批判、つまりあくまでもTPOを問題にした意見もあり、それにはオタク側も一定の理を認めている人が多いように、ぼくには思われます。しかし上に「女性蔑視」とあるように、フェミニストたちはフィクションなどに込められた「女性への性的視線」をこそ否定したがる傾向があり、それについてはいささか疑問を感じずにはおれません。

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