古市憲寿が日本のために戦うと言うとき [前編]

戦争になったら逃げる?

 私は流行にうとくテレビなどもあまり見ないのですが、MXテレビ「西部邁ゼミナール」などはネット上でたまに見たりします。中野剛志さんゲスト会の「国際法をふりかざしても無駄」を見ていて、ある若者が戦争になったら逃げるという発言をしたということを知りました。

http://www.mxtv.co.jp/nishibe/archive.php?show_date=20140511

 その人物というのは、若手の社会学者である古市憲寿さんという方なようです。BSフジLIVEプライムニュース「終戦の日に考える、いまの若者の戦争観」という番組での発言だそうです。

http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d130815_0
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d130815_1

 番組内において「外国から侵略された場合の態度」を問われたとき、古市さんは「逃げる」という回答を提示したわけです。ネットなどを中心に、けっこう話題になったみたいですね。

合理的な愚か者?

 番組を見てみたのですが、確かに古市さんは保守派からは叩かれるようなことを言っています。様々な意見があるようですが、少なくとも私は、彼は頭が良いと感じました。
 例えば、彼は「いろんな国を回って」、「戦争博物館を回って」いると述べています。先の大戦についても、「少なくない日本人は熱狂していた」とか、「少なくない日本の人々は楽しいものだと思っていた」と述べています。これは事実であり、国民が嫌がっていたのに一部の軍部が暴走したという安易な話ではなかったわけです。ですから、彼なりに調べて、彼なりに考えて発言しているわけです。彼自身が言うように、その考えは「合理的」だと思います。
 ですが、彼の頭の構造がどうなっているか分からないという方や、幼稚だと感じられる方もいるかと思います。そういった考えには、一理も二理もあります。ですが、そこには道徳をめぐる議論において、見落とされている落とし穴があるようにも思えるのです。

戦後空間の被害者?

 古市さんと同席していた方に、女性の山本さんがいました。彼女は「外国から侵略された場合の態度」に対して、「実際に戦うというより影から支援するという立場」と答えています。
彼女は後にチャンネル桜の「さくらじ#116」に登場し、この件について意見を述べています。

http://www.youtube.com/watch?v=QlXI2D1L9Wo

彼女は、「例えば戦争になった際だとか外国から侵略されたときに、自分だけ助かればよいなんてことは、一度も考えたこともなかった」と述べています。この立ち位置は、古市さんとは対照的です。それゆえ一部の人には評価される言動だとは思いますが、私には危うさも感じられます。古市さんと山本さんでは、感情面において隔たりがあり、そこを丁寧に考えておかないと問題の本質にはたどり着けないように思えるのです。
 ちなみに、パーソナリティである古谷経衡さんは、同番組内で古市さんを「戦後民主主義の優等生」とか、「戦後空間の被害者」だと評しています。私の見解を述べておくなら、前者はその通りだと思いますが、後者にはついては必ずしもそうだとは言えないという立場です。

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西部邁

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コメント

    • Johna103
    • 2014年 7月 25日

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