ある理由で中国から逃げ出した日本の大企業一覧
- 2015/12/18
- 国際, 経済
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合弁会社株51%を19円(!!!)で売却するカルビー
次も、驚きの話です。
一方、浙江省杭州市にあるスナック菓子の製造・販売合弁会社を設立わずか3年で売却することを決めたのはカルビー。合弁会社の51%の持ち株全てを、合弁相手の康師傅方便食品投資にたった1元(約19円)で譲渡する。(同上)
1元(約19円)(!!!)とは……。
理由はなんでしょうか?
売却の背景には、売り上げが伸びず赤字が続いたことにある。5年で500億円を見込んでいた売上高が100分の1のわずか5億円程度にとどまった。
発表資料によると、これに伴い、最終赤字は進出した2012年12月期が500万元、13年12月期が4900万元、14年12月期が7100万元と年を追うごとに拡大。
早期に改善が見込めないと判断、12年8月の設立からわずか3年での撤退となった。
(中略)
わずか1元で持ち株を手放すのは、「早く中国戦略を仕切り直しをして、再挑戦するため」(市場関係者)とみられている。
カルビーは青島や香港にも製造や販売の拠点があり、スナック菓子の販売は今後も継続する。
損失が膨大になる前に、「サッサと売却を決めた」のは英断ですね。
しかし、「仕切り直しして再挑戦」というのは、やめた方がいいのではないでしょうか?
マクロ経済の動向を見ると、「再挑戦しよう」というのは無謀に思えます。
中国から逃げ出す日本の大企業
二つ例を挙げましたが、細かい話をしたら、まだまだ山ほどあるのです。
今年に入り、中国から撤退する企業が目立って増えている。2月にパナソニックが液晶テレビ生産、エスビー食品がカレールウなどの生産を打ち切ることをそれぞれ発表。
サントリーホールディングスは中国ビール2位の青島ビールとの合弁を解消、合弁相手の青島に製造販売をまかせ、ライセンス料を得る形に移行する。
また、ホンダも湖北省武漢に新工場を建設する構想があったが、中国経済の減速を受け、当面見送る。(同上)
パナソニック、エスビー食品、サントリー、ホンダ…。
日本を代表する大企業ばかりです。
なぜこれらの企業は、中国から逃げ出すのでしょうか?
日本企業が中国の生産拠点を撤退、縮小の方向に舵を切っているのは、経済失速のほか、人件費の高騰や政策変更などリスクがつきまとい、中国での事業が「割に合わない」状況になっているためだ。(同上)
「中国での事業は、もはや『割に合わない』」そうです。
まさに。
一方で、ネット上には中国から撤退や事業縮小した企業に対し、「英断」といった肯定的な意見も寄せられている。
中国リスクと付き合って、これ以上損失を広げない意味から、撤退を正しい判断と評価しているようだ。(同上)
まさに「英断」です。
中国にどうコミットしていくか、日本企業の間でも今後判断が分かれていきそうだ。(同上)
私は、「コミットしないのが最善」だと思います。
中国という「タイタニック号」はまさに沈みはじめているのに、「コミット」してたら一緒に沈んでしまいます。
「巨大な市場が…」というのなら、日本で生産して輸出すればいいのです。
「日本で生産すると、高くなり中国で売れない」
というのなら、東南アジアには人件費が中国より全然安い国がたくさんあります。
人件費の安い「親日国家」に生産拠点を移動させ、そこから中国に輸出すればいい。
こういうネタのときは、毎回書いてますが。
日本政府は、東日本大震災被災県の法人税をゼロにし、日本企業が中国から「撤退」「帰国」しやすい環境を整えてあげたらいかがでしょうか?
被災県に雇用が生まれ、復興も速くすすみ、安倍総理の支持率も上がるのでは?
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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