デタラメだらけの大阪都構想議論~橋下市長の華麗なる変遷~

 しかし、まともに考えるなら、「好き勝手に」「とんでもない嘘八百を」垂れ流すような人物と公開討論を行い意見を闘わせることが市民に公正な判断の機会を提供することには決してならないでしょう。むしろ、そのような嘘八百のデマを垂れ流すような輩と公開の場で討論を行うことは市民の公正な判断を惑わせるだけの結果となることは明白です。また、この後のツイートでは「2年前に藤井が俺の悪口を言ってたから公開討論に呼び出ししてやった!!」といった趣旨の書き込みをしています。公開討論の申し入れを行った理由は藤井聡さんがデマを垂れ流しているからではなかったのでしょうか?悪口を言ってたから呼び出しをしてやったというのでは、ただのチンピラの喧嘩と一緒です。

 さらに言えば、そんな嘘八百を垂れ流していると言っている割には、具体的にどの部分が嘘であるのか?という根拠は一切提示されていないません。ですので、「藤井は内閣参与の肩書を持ちながら、都構想について嘘八百のデマ情報を垂れ流している」という橋下氏の主張自体が、「都構想を批判している藤井の発言はデマばかりだ!!」という印象操作のためのデマなのではないか?という疑問を持たれても仕方ないでしょう。

 もしかしたら、ここまで読んで下さった方の多くが、「なぜ、こんな細かい文章のニュアンスで揚げ足取りばかりするのだろうか?」と疑問に思っているかもしれません。しかし、実際には、橋下の主張は終始このように支離滅裂で一貫性がなく、何かを批判しようにも、次のタイミングでは昨日と(いや、下手をすれば10分前と)全く真逆のことを言っているという始末ですので、どうにも、まともに論理的に批判をするのが難しいのです。

 つまり、相手がまともに、首尾一貫し、論理的整合性の取れた主張を行っているのであれば、それに対し、論理的な批判を展開することが可能なのですが、相手が常に支離滅裂な主張をしているため、それに対して批判する際には、一つ一つの細かい主著をそれごとに反論しなくてはならないため、どうしても揚げ足取りのような批判に見えてしまうのです。

 最後に、如何に橋下が支離滅裂な主張をしているかについて示すために、次の2つのツイートを紹介して終わりにしたいと思います。



ここで橋下は大阪市民の税金は外に流れないと断言しているのですが



次の瞬間には、ワン大阪なのだから大阪市民の税金が流れても問題ないと主張します。

 さらに、ついでに説明すると、別のツイートでは、大阪都構想と関係なく大阪市民の税金は大阪市外で使われているのだから、大阪市の税金が大阪市外に流れることを問題視している藤井はオカシイと次々に主張が変化していきます。

 つまり、
「大阪都構想が実現しても大阪市の税金は他の地区に流れない!!藤井はデマを言っている!!」
⇒「財源が大阪市以外に流出してもワン大阪だから問題ない」
⇒「都構想以前に現時点で大阪市の税金は大阪市外で使われている!!今更資金の流出を問題視する藤井はアホ!!」

といった具合に主張が次々に変遷しているのです。

 また、先の公開討論の申し入れの理由に関しても、
「藤井聡は都構想について虚偽の情報を流しているため我々は憤りを感じて抗議している!!」
⇒「我々は大阪市民に正当な判断を下すための機会を与えるため藤井聡に公開討論の申し入れを行う」
⇒「2年前に藤井が俺の悪口を言ってたから公開討論に呼び出ししてやった!!」
といった具合に変遷しています。

 一部の橋下氏のシンパは、公開討論を行わないという藤井聡さんの態度に対し、「藤井は逃げたー!!」と大騒ぎしているようですが、果たして、ここまで主張が支離滅裂で一貫性がない人物とまともに討論を行う意味はあるのか?私には非常に疑問に思われます。

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西部邁

高木克俊

高木克俊会社員

投稿者プロフィール

1987年生。神奈川県出身。家業である流通会社で会社員をしながら、ブログ「超個人的美学2~このブログは「超個人的美学と題するブログ」ではありません」を運営し、政治・経済について、積極的な発信を行っている。

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