現在、橋下徹大阪市長と京都大学の藤井聡教授による都構想議論が話題になっています。
きっかけは、藤井聡さんが、三橋貴明さんの運営するメールマガジン『三橋貴明の「新」日本経済新聞』に『【藤井聡】大阪都構想:知っていてほしい7つの事実』(http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/01/27/fijii/)という記事を寄稿したことです。
この記事の中で、藤井聡さんは今回の大阪都構想、および5月に行われる大阪都構想の住民投票に関して、以下の7つの事実を指摘しました(一部改変、解説は筆者による)。
目次
【事実1】
今回の住民投票で決まっても「大阪都」にはならない。
現在の法律では、東京都以外を都にすることは出来ませんので、今回の住民投票が賛成多数で可決されても大阪府は「大阪都」にはなりません。
都構想 都にならないのに 都構想
といったところです。
【事実2】
今の「都構想」は,要するに
「大阪市を解体して五つの特別区に分割する」ことです。
今回の「都構想の住民投票」と称される住民投票の内容は、法律的に定められた,ある協定書に対する賛否を問う投票です。その内容は、大阪府を大阪都に変えることではなく、かつて、東京で東京市を解体し23の特別区に分割したように、大阪市を解体し5つの特別区に分割するという内容です。
【事実3】
年間2200億円の大阪市民の税金が市外に「流出」します。
今回の都構想議論で最も重要な論点となっているのは、この事実3と次の事実4です。
行政的な細かい解説は非常に複雑なので専門的な議論は脇に置きますが、今回の議定書の内容が可決されると、それまで大阪市で自由に活用できた財源の一部の予算権限が大阪府に移譲されることになります。権限の移譲自体は事実ですので、否定しようがありません。なので、議論の論点は予算の権限を大阪市から大阪府に移譲してもその予算がすべて今までどおりに大阪市および大阪市民のために活用されるのか?それとも大阪市民が今まで自由に活用できていた税金が大阪市外に流出するのか?あるいは、そのようなリスクが発生しうるのか?という問題になります。
【事実4】
流出した2200億円の多くが大阪市「外」に使われます。
現在大阪の核である大阪市では、大阪の他の地区と比較し、健全な財政と豊富な財源を維持しています。このような状況で、大阪市の税金の予算権限を大阪府に以上した場合、当然大阪市以外の大阪市より財政が厳しい地区はなんとかして大阪市の財源を奪い取ろうとしてきます。つまり、大阪市は強い権限でもって自分たちの税金や財源をしっかりと守らなければならない立場にあるにも関わらず、今回の都構想(という名の大阪市解体構想)では、その大阪市を解体することでそれまであった政令市としての強力な権限を失うことになります。
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