女装保守の誕生

「女装」と「愛国」は一切矛盾しないのだ!

靖国の話も出たことですし、ここで自らの政治的立場についても明らかにしたいと思います。私は愛国者、保守タカ派を自任しております。憲法9条は改正した方が良いと思っていますし、昨今話題になったオスプレイ配備、集団的自衛権行使容認についても、私は賛成の立場です。

「エーッ、女装者が保守タカ派!?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんね。どうも巷には、LGBT―性的マイノリティーを総称する言葉。女装者もLGBTに含まれます―はリベラル派になるのが当たり前、という風潮があるようなのです。

しかし、LGBTが保守タカ派になって、一体何が悪いというのでしょう。LGBTが憲法9条改正に賛成したって、べつに構わないはずです。ジェンダーと安全保障は、全く別の問題なのですから。
「LGBTは日本の伝統に反する存在じゃないか!」と言う声も聞こえてきそうですが、実はそれも誤解です。今日では顧みられる機会が少ないのですが、戦国時代の「衆道」(同性愛)、江戸時代の「女形」、「陰間」(男娼)など、日本にはLGBTに寛容な伝統が存在するのです。

そもそも我が国の古典中の古典である『古事記』からして、異性装者が大活躍する内容ではありませんか。ヤマトタケルは女装して熊襲を討ったわけですし、神功皇后も男装して三韓征伐を果たしたのです。

こうして見ると、LGBTが保守タカ派を名乗っても何ら問題ないことがお分かりいただけるかと思います。むしろ、LGBTこそ日本の伝統を体現する存在と言えるのではないでしょうか。そして、冒頭で取り上げた昨今の女装ブームは、日本が本来の姿へと「復古」していく過程だと考えることすらできるのではないでしょうか。

私は、自らが日本人であり、同時にLGBTでもあることに強い誇りを持っています。これからも、あるときは壮健な日本男児として、またあるときはしとやかな大和撫子として、御国のために尽くそうと思っております。

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西部邁

古澤圭介

古澤圭介フリーライター

投稿者プロフィール

1984年、静岡県生まれ。横浜国立大学工学部卒業。ナショナリズム、ジェンダー論、言語学、映画、アニメ、将棋など幅広い分野に関心を持つ。

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コメント

  1. 記事の方、精読させて頂きました。
    私は保守からのジェンダーフリーを提唱するものです。
    この記事の内容にとても共感します。
    得てして、保守系の男女共同参画やジェンダフリーに対する嫌悪・憎悪というものを問題視しております。
    保守的な男女観や価値観というものを私は否定する立場ではありませんが、男女観や価値観やそれに伴う人生観についてはもっと寛容でセクシャルマイノリティの受け皿も必要であると考えるものであります。
    古澤さんが、セクシャルマイノリティの受け皿として保守としてご活躍することを心より願っています。
    私もライブハウスでどぎつい化粧をしてロックを演奏するV系ロックドラマーです。
    私もセクシャルマイノリティの理解者、受け皿としての保守を目指していきたいと思います。

    参照
    私の幼稚なブログにて保守的ジェンダーフリー三部作を上げております。
    宜しければご一読くださいませ。

    「保守からのジェンダーフリー①」 http://d.hatena.ne.jp/sin_dragon1971/20141125/1416922268
    「保守からのジェンダーフリー②」 http://d.hatena.ne.jp/sin_dragon1971/20141125/1416923325
    「保守からのジェンダーフリー③」 http://d.hatena.ne.jp/sin_dragon1971/20141125/1416924234

    木島伸一拝

      • 909
      • 2014年 12月 20日

      「ジェンダーフリー」というのは、
      あらゆる面で厳然として存在する性による違いをなくす、すなわち「ぶっ壊す」ことであり、
      それが可能かどうかはさておき、とても保守的態度とは思えません。
      明らかに不当な扱いが認められるからそれを是正する、なら話は別ですが、
      それならば「フリー」とは言えません。
      「保守からのジェンダーフリー」などありえないのです。
      リベラル派、より正確にはフリーダム派を自称されたほうがよろしいでしょう。

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