IT化、ロボット化で「無負担・高福祉でしかも無税国家」が実現できる

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社会保障は低福祉・低負担か高福祉・高負担のどちらかしか無いとされている。しかしこれは人間が働いて稼いだカネで社会保障をすることを前提にしている。今ある職業の半分は20年後にはIT化・ロボット化で消滅すると英オックスフォード大がレポートを発表した。

遠くない将来、ほぼすべての職はIT化・ロボット化で消滅するのは確実だ。そのことに人間は嘆くのでなく喜ぶべきだ。

筆者は、そのような世界でカネを稼ぐのはロボットにさせ、人間はそのカネを使うのであれば、税金も社会保険料も支払わなくても高福祉の社会が実現可能であると示し、そのときの資金の流れを次のサイトで示した。

「労働はロボットに、人間は貴族に」が実現する経済制度とは

人工知能は今でもすでに私立大学に合格できるレベルにあり、2021年には東大に入れるレベルにしようと開発が行われている。人工知能のレベルが今後の経済発展に決定的な役割を果たすことを考えれば、政府が巨額の投資をすべきであることは間違いない。ショップの店員、コールセンター、受付、商品説明、販売、予約、営業等、人工知能が容易に人間を超えそうな職業は多い。やがては会社の経営能力においても、人間を上回ってしまうだろう。

そうなれば、平社員から社長まですべてがロボットである会社が次々登場することになり、人件費が掛からないことで競争力は極めて強く、どんどん売上げを伸ばし、巨額の利益を生み出す。

このような会社を個人に所有させる必要はなく、国営企業にすれば、国は巨額の財源を確保できる。ロボット化が完了した企業を次々に国が買収し、それぞれの企業を統括するロボット企業ができれば、企業グループ全体の利益を最大化する経営が可能となり、益々効率化でき独占が進んでくる。現在は独占が競争を阻害し、経済の発展を妨げるとされている。

それは競争相手がいなくなると、値段をつり上げて利益を拡大できるからである。人工知能が管理する時代であれば、国民の利益を最大化するから、独占による弊害はなくなり、むしろ経済発展には独占が追い風になる。

「労働はロボットに、人間は貴族に」という社会が実現したら
1:ロボットが稼いだカネを使って、多くの人を雇うことができる。
あるいは、年金支給年齢をどんどん下げていくこともできる。
ベーシックインカムの考えに近くなる。
2:仕事は日本中にあるので、あるいは、年金はどこにいても貰えるので、地方に住みたがる人が増え、地方が活性化する。
3:一生、生活が保障されるので、結婚・出産・子育ての不安は無くなる。
4:現在、都会への人口集中が起きている。それは都会にしか職がないからである。
日本中に職が生まれれば、田舎で自給自足に近い生活をする人が増える。
太古の昔、人間は「田舎」で、ほぼ自給自足の生活をしていた。
それが人間の本来の生き方かもしれない。

かつて貴族は特権階級であり労働を行わず、他の階級の人達に労働を行わせ、自分たちだけが裕福な生活を送ることができた。しかし、ロボットの労働を行わせることができれば、全国民が貴族の生活を許されることになる。

もしそれを可能にする制度を確立したらという前提ではある。そういった社会実現のため、全国民は努力すべきではないだろうか。

小野盛司

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西部邁

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