90年代の音楽業界はCDの盛り上がりとともにあったといっても過言ではないでしょう。レコードという媒体が陳腐化してしまい、流星のごとく現れたCDという媒体を中心に、90年代における音楽のありかたについて少し分析してみたいと思います。
CDの生産数量ピークは1998年
CD文化が花開き、全盛期だったのは、間違いなく、90年代だったといえます。
一般社団法人日本レコード協会の資料をまとめた図が以下になります。
1995年頃から1998年頃まで4億枚を超えていましたが、ゼロ年代に入ってからは如実にCDの生産数量は落ち込んでいきます。近年では、CDに付属された握手権などで売上を伸ばす商法が蔓延し、各所で議論を呼んでいます。にもかかわらず、CDの生産枚数は現状維持どころか、大きく減少しています。
単純な話、人々がCDを買わなくなったのです。確かに、私のライフサイクルを見ても、90年代には、小学生だったにもかかわらず、月に1枚はシングルCDを、年に2枚はアルバムCDを購入していたことを覚えています。
それが、ゼロ年代に入った頃から、購入することは稀になり、ほとんどレンタルCDで用を済ましていくようになりました。
ここでは、私の実体験も交えながら、90年代に興隆したCD文化がどうして盛り上がり、どうして衰退していったかを分析したいと思います。
CD文化が盛り上がった背景
非常に単純な話ですが、レコードやカセットテープとCDの違いは、「有限か無限か?」ということです。
レコードやテープは繰り返し聞き続けると、物理的に磨耗が進み、聴くことができなくなります。ましてや、1曲のリピートなどは実質不可能なわけでした。しかし、CDが登場してからは、1曲リピートも不可能ではなくなり、頭出しも容易になります。何より、物理的にハードな使い方にも耐えられるようになったわけです。
さて、こうして、特定の曲を聴きこむことができる環境になった際、CDとともに盛り上がった盛り場がありました。
それはカラオケです。
ちなみに、岡山県でボックスを用いた本格的なカラオケボックスが登場するのは1985年です。その後、90年代を通じて発達していきますが、全国カラオケ事業者協会の資料によるとカラオケボックスのルーム数は減少していきます。この動き自体は、上にあげたCDの生産数量の推移と合致します。
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