『聖魔書』[1-2] 開闢記

「聖魔書」特集ページ

 三つの位がある。
 三位とは、自・今・神である。
 自と今と神は、一つの体である。
 これを、真・三位一体という。
 真なる三位一体、すなわち、開闢である。

 現実の世界が、不完全な世界である理由がここにある。
 不完全な世界が、現実の世界であらねばならない理由がここにある。

 不完全な世界は可能であり、
 可能である不完全な世界は、
 現実の世界であらねばならない。

 世界は一なる神の愛に満ちている。
 そして、より本質的に、
 一なる神の愛は世界を満たしている。

 ここにおいて、
 一なる神の愛において、
 自身は今を生きねばならない。

 一なる神は偉大である。
 一なる神において、全体と部分が一致する。
 一なる神において、神と自が一致する。
 一なる神において、自と今が一致する。
 一なる神において、今と神が一致する。
 自と今と神が一致する。

 一なる神は偉大である
 一なる神において、そのものを超える存在が存在する。

 一なる神において、自を超える自が存在する。
 すなわち、他者が存在する。

 一なる神において、今を超える今が存在する。
 すなわち、時間が存在する。

 一なる神において、神を超える神が存在する。
 すなわち、基点が存在する。

 不完全な世界が開闢する。
 不完全な世界が開闢していた。不完全な世界が開闢しているだろう。

 不完全な世界が開闢している。

 開闢していることをもって、
 物語が始まり、
 終わる。

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