あなたではなく、私で語ろう。
では、いったいどうすればいいのでしょうか?
実は何かを伝えるときに心がけることとして、
「ユー・メッセージではなく、アイ・メッセージで」
という考え方があります。
たとえば、
「あなたは、偉いね」
「あなたのその行動、ひどいよ!」
こういう言い方は「ユー・メッセージ」となります。
「あなたは○○」
というように決めつけることで、言われた相手は、どんどん息苦しくなってきてしまいます。
真実でなかったらイライラするだけですし、真実だったとしても、だからこそつらく感じてしまう可能性があるわけです。
「ほめ言葉」というのも、結局はこの「ユー・メッセージ」に分類されてしまうのです。
それより大切なのは「アイ・メッセージ」。
自分自身がどう感じるか、ということを言葉にするべき、というわけです。
たとえば、
「私は、あなたと一緒にいられて嬉しい」
「あなたが頑張ってくれたのが、私はとっても誇らしいの」
というような言い方です。
これは「自分の感情」なので、相手にたいして何も強制することもなければ、決めつけたりすることもありません。
そのため相手はすんなり受け入れられます。
くわえて、相手の感情を知ることができるので、気持ちが安らぐ面もあります。
ユー・メッセージが、相手の服をいきなり脱がしてきたり、相手の衣服を強制するようなものとするなら…。
アイ・メッセージは、自分自身が衣服を変えたり、脱いだりするようなものです。
相手にとっては、アイ・メッセージの方がすんなり受け入れられるのではないでしょうか。
うん。
たとえのせいでちょっと微妙になってきた気がしますが、とにかくそんな感じです。
いずれにしても、たとえばほめ言葉であるなら、
「すごくキレイだよね! はじめて見て、ビックリしちゃった!」
と言えば、最初の「すごくキレイ」というのは「ユー・メッセージ」ではありますが、そのあとはきちんと「アイ・メッセージ」であるので、嬉しく受け入れられるはずです。
もしほめたいのなら、そのあとに「だから自分はプラスの感情になっている」という言葉を必ず入れることです。
他にも、
「あなたと一緒にいられて、すごく嬉しい!」
「今日、こうしてデートできて、とても幸せ!」
「君と一緒に仕事できて光栄だ」
など伝えるのもアリです。
こう言えば、たとえほめていなくても、相手には十分、ほめ言葉と同じということが分かりますでしょうか。
とにかく自分の感情で伝えることです。
「難しい…」と思うのなら、とにかく「自分のように喜ぶ」だけでも十分です。
誰かの成功を、自分自身の成功であるかのように喜ぶ。
それを言葉にするだけでも、相手はとても嬉しく感じるはずです。
シンプルにお礼を言うだけでも。
さらにもっとシンプルに言うなら、
「ありがとう」
とお礼を言うのが、とてもカンタンかつ効果的です。
「今日はデートしてくれてありがとう!」
「いつも助けてくれて本当にありがとう!」
「テストよくできたねー! お母さんすごく嬉しい! ありがとう!」
感謝の言葉は、すなわち「自分はあなたにお礼を言いたいほど嬉しく感じている」というメッセージでもあります。
何より相手にとって幸せを感じさせますので、覚えておいてください。
しかるときも、プラスで言おう。
これは叱るときも一緒。
「お前はダメだ!」
「あなたの仕事のしかたはいけない!」
「どうして連絡くれないの?」
これはすべて、ユー・メッセージとなります。
一瞬だけ、相手のことを従わせることはできるかもしれません。
しかし長続きすることはなく、相手の中に反発心がどんどん湧き上がっていくだけです。
それよりは、アイ・メッセージで話すこと。
「今回の仕事は少し残念だった」
「連絡くれなくてショックだった」
というような言い方になります。
ただそれであっても、やはりネガティブな内容にはなってしまいますので、
「○○はあまり良くないと思うから、△△のやり方にしてくれると嬉しい」
というように、プラスの言い方にした方が良いでしょう。
今回のまとめ。 「アドラー心理学4 ~人間はみな対等である」
○ すべての人は「共同体感覚」を持つべき。
○ そしてみんな「対等」ということを意識すること。
○ 上でも下でもなく、「しかる」「ほめる」のではなく「親しく話す」こと。
○ ユー・メッセージではなく、アイ・メッセージで。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
『★セクシー心理学GOLD ~最先端の心理学技術★』第511回より一部抜粋
著者/大和まや・ゆうきゆう(精神科医・心理研究家)
あらゆるジャンルの心理学を極めた、セクシーな精神科医たち。あやつる心理学のスキルは1000を超える。「ゾクゾクしなければ人生じゃない!」がモットー。趣味は瞑想と妄想。特技はスノーボード。
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