スーパーグローバル大学でちょっと妄想してみた

スーパーグローバル大学

 この物語は(たぶん)フィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて(きっと)架空のものです。そうさ、そのはずさ・・・。フフフフフ・・・。
 あと、過去のスーパーグローバル大学関連の記事の方もよろしく。

スーパーグローバル大学(笑)
オシャレでスマートなスーパーグローバル大学のキャッチコピーを比較してみた

原稿の持ち込み

編集長: 何? また原稿の持ち込み?
ライター: はい。前回リアリティーにこだわりすぎて、つまらないと言われましたので、今回はありえない設定をおもしろおかしく書いてきました。
編集長: ああ、前回はダラダラ付き合いが続いて、卒業を機に分かれるって話だったっけ?
ライター: はい。知人の経験を参考にし、徹底的にリアリティーにこだわってみました。
編集長: ああ、実話だったのかよ・・・。あのなあ、リアリティーがあれば良いってもんじゃないんだよ。やっぱり、面白くないと読んでもらえないわけよ。分かる?
ライター: はい。それでアドバイス通り、今回はぶっとんだテーマ設定で面白く話をまとめてみました。
編集長: で、どんなぶっとんだテーマなわけ?
ライター: 大学を舞台にしたグローバルな闘いを描く一大巨編です。
編集長: へえ、とりあえず読んでみるか。何々、『平成26年度「スーパーグローバル大学創成支援」採択構想の決定について』とな?
ライター: そうです。スーパーグローバル大学です。ぶっとんだ設定でしょう?
編集長: ぶっとびすぎだろ。だいたい、スーパーって何だよ? スーパー付ければ良いって発想が、中学生レベルだろ・・・。
ライター: 分かってますって。むしろ、今時の中学生はそんな恥ずかしいこと言わないですよ。分かった上で、文部科学省がスーパーを付けるっていうトンデモ設定で笑いを誘っているわけです。
編集長: なるほど。でも、それなら平成26年9月26日とか、具体的な日付とか余分だな。平成XX年某日とかでいいよ。
ライター: 分かりました。修正します。
編集長: ま、とりあえず一通り読んでみるから、ちょっと待ってな。

世界観におけるリアリティー

編集長: 一応読んでみたけどさ・・・。
ライター: どうです。一大巨編でしょう?
編集長: あのなあ、確かにリアリティーにこだわる必要はないって言ったけど、ぶっとんでいれば良いってもんでもないの。文部科学省がスーパーグローバル大学事業を推進、各国公私立大学へ向けて公募って・・・。何なのこれ?
ライター: グローバルな闘いの予感にワクワクしてきますよね?
編集長: しねぇーよ! だいたい旧七帝大まで公募に応募して、しかも当選してるじゃねーか!
ライター: えっ? 何かまずいですか?
編集長: おかしいだろ! いいか、リアリティーにこだわり過ぎて面白さを犠牲にするのもまずいけど、面白さのためにも最低限のリアリティーは必要なの。そこら辺の加減がお前はなってないってーの。
ライター: そうですか?
編集長: いいか。スーパーグローバルとかって、どう考えてもゲテモノだろ? だから、応募するようなところは、潰れそうな三流大学に決まっているだろ。溺れる者は藁をも掴むってパターンだな。なんで名誉も歴史もある有名大学が応募するんだよ。こういうのはな、スーパーグローバルに飛びつく潰れそうな大学の悲哀と、それを笑う有名大学の高飛車な対比構造で話を展開するんだよ。
ライター: なるほど! 確かに、その方が面白そうですね。
編集長: だろ? スーパーグローバルってぶっとんだ設定を使うんなら、そのぶっとんだ設定に如何に現実感を持たせられるかが鍵になるんだよ。有名大学までそれに飛びついたら、登場人物に変な人しかいなくなるだろ。変な人をうまく料理するには、まともなキャラも必要なんだよ。変な人だらけの話なんて、どこが面白いんだよ。
ライター: そう言われると、まったくその通りですね。勉強になります。

37校がスーパーグローバル

編集長: あと、これ。スーパーグローバル大学がいきなり37校って、多すぎだろ・・・。風呂敷広げすぎだろ・・・。こんなの、うまくまとめられるわけないだろ・・・。
ライター: いえ、大丈夫です。37校と言っても、トップ型は13校で、グローバル化牽引型は24校で分かれていますし。
編集長: そんなに違いがあるわけじゃないだろ・・・。
ライター: 大丈夫ですって。うまくまとめてみせます。
編集長: だから、それができてねぇーって言ってるの! この『平成26年度スーパーグローバル大学創成支援審査結果』に、各大学の構想名がまとめられているだろ?
ライター: はい。
編集長: これって、各大学のお偉いさんが決めてるって設定なわけじゃん。それがこんなレベルってどうなの?
ライター: はあ、どこかおかしいですか?
編集長: おかしいだろ! スーパーグローバルについての構想名なのに、37校中の20校の構想名にグローバル(Global)って言葉が入っているだろ。
ライター: スーパーグローバルですからね。
編集長: そういうところが駄目なんだよ。いいか、例えば綺麗な景色のキャッチコピーとかの場合、綺麗だって連呼してたら見苦しいだろ。情緒深い言葉とかで、どうやってその景色の美しさを表現するかが腕の見せどころなんだよ。
ライター: ああ、そうですね。うまい飯のキャッチコピーで、うまいとかおいしいとか連呼してたら間抜けですもんね。
編集長: そういうこと。グローバルをアピールしたいなら、直接グローバルとか言わないで、別の言葉で如何に表現するかが鍵になるわけだよ。一流の大学のお偉いさん方が、そんな間抜けな構想名を付けまくるって、もうリアリティーがどうこうじゃなくて、この作家アホだなってことでしかないわけ。そして、それを出した出版社および編集者もアホだなとしか思われないわけ。
ライター: ああ、返す言葉もないっす・・・。
編集長: なんか構想名で被っている用語も多いし・・・。明らかに設定負けしているって一瞬で見破られるぞ。一般読者をなめんじゃねーぞ。

→ 次ページ「発音が大事?」を読む

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西部邁

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コメント

    • 野比怒羅江悶
    • 2014年 10月 01日

    https://twitter.com/aniotahosyu/status/515440370797535232
    古谷経衡さんにスーパーグローバル大学のことを馬鹿にされてますよ。

  1. 2014年 10月 16日
  2. 2014年 11月 03日

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