GDPが1997年以後、なぜ失速したかを解説

本記事は「消費税増税の言い訳、実はコロコロ変わっている」の続編です。
ぜひあわせてご覧ください。

明後日の方向に飛んで行くアベノミクスの矢

 アベノミクスは失敗という結論はとっくに出ている。
 増税を延期しても景気は良くなりません。・・・元々景気のよくないところへ8%増税、よくなるわけがない、10%にすればさらに悪化するだけだ。

 消費税を増税するだけで均衡財政を達成することなど、できるわけがないことは前回でおわかりいただけたと思う、このまま消費税率を上げ続ければ、均衡財政に達する前に日本経済が崩壊してしまうだろう、今回はそこのところをデータを駆使して解き明かしてみたい。

 昔から、「金は天下の回りもの」という格言がある。金(マネー)が世の中に回ってこそ経済成長(乗数効果)がある。金づまりを起こせば破綻します。

乗数効果とは何ぞや?

 少々、固い話になって恐縮だが、経済用語で「乗数効果」という言葉がある・・・
 2010年1月16日の参議院予算委員会での論戦で、当時の菅財務相が、「乗数効果」について知らなかったことで失笑を買った。

「乗数効果」については、ASREADで、島倉原氏の詳細な論考がありますので、それをお読みください。

ウィキペディアによれば「乗数効果」とは、次のように説明されている。
生産者(企業や政府)が投資を増やす→国民所得が増加する→消費が増える→国民所得が増える→さらに消費が増える→さらに国民所得が増加する→さらに消費が増える→・・・という経済上の効果を意味する。この増加のサイクルは投資の伸びに対して乗数(掛け算)的な伸びとなることから、乗数効果と呼ばれている。

又、島倉氏は「失われた20年のもたらしたもの-失われた20年の正体(その2)」の冒頭部分で、次のようにのべている。

“「国全体の経済成長が止まった時点」と考えるのであれば名目GDPがピークを打った1997年(翌1998年から長期デフレがスタート)を、起点もしくは節目と捉えることができるでしょう。”

→ 次ページ「1997年、それはデフレの始まった年」を読む

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西部邁

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  1. 2014-8-6

    経済社会学のすゝめ

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