国土強靭化を進めよう!
- 2013/10/22
- 経済
- 国土強靭化, 財政破綻
- 6 comments
日本政府は財政破綻するのか?
たしかに日本政府の一般会計だけを見ると2013年度の予算は歳出総額92.6兆円に対して、歳入は税収47.1兆円、公債45.5兆円であり、歳入の半分を借金に頼っています。
また、内閣府の国民経済計算確報によると一般政府の負債は2011年度末の時点で1095兆円もあります。
税収を大きく上回る歳出と、一般政府の負債総額だけを見れば「日本は財政破綻するのではないか」と思ってしまいますが、事実は大きく違います。
日本銀行の資金循環統計を確認すると、日本国債969兆円の保有者内訳は国内金融仲介機関604兆円、一般政府・公的金融機関95兆円、中央銀行150兆円、家計・その他40兆円であり、日本国債の90%以上は国内で保有されています。
また日本国債の金利は2013年10月17日現在で0.219%(5年)、0.635(10年)と世界最低水準の低金利で推移しています。
また、一般政府(日本政府、地方公共団体、社会保障基金)は1095.8兆円の負債と同時に1077.1兆円の資産(固定資産581兆円+金融資産496.1兆円)を保有しています。
さらに日本国家のバランスシートを確認しますと、日本は家計・民間企業・金融機関・一般政府・非営利団体の合計した資産(固定資産+金融資産)は8451兆円、負債は5455.4兆円で正味資産2995.6兆円を保有する黒字国であることが分かります。(内閣府・国民経済計算確報2011年度末)。
日本銀行の資金循環統計を確認しますと、日本は2013年度6月末の時点で対外資産761兆円、対外負債463兆円であり、対外純資産298兆円を保有しています。
ちなみに日本が保有する対外純資産は世界最大であり、日本は「借金大国」ではなく「世界最大の投資国」と言えます。また全国銀行協会の資料によると、2013年度8月末時点で全国の銀行116行の総預金は611.6兆円、貸出金は434.6兆円であり、超過預金が177兆円も余っています。
日本の銀行は貸出先がなく困っているのです。日本政府の一般会計の歳出と歳入、日本国債の発行残高だけを見るのではなく国家全体のバランスシートを見れば、日本が借金大国ではないことは、すぐに理解できます。
そもそも、日本国債は「自国通貨建て国債」であり、日本国債は「円で借りて、円で返せばよい借金」です。円を発行できるのは日本銀行です。
日本銀行は政府から独立した法人ですが、日本政府が株式の55%を保有しており、総裁、副総裁、審議委員は、衆参両議院の同意を得て内閣が任命します。
「金融緩和によるデフレ脱却」を目指す安倍総理ですが、それに呼応して黒田日銀総裁は量的緩和を実施しています。実質的に日本銀行は日本政府と連携していると言ってよいでしょう。
ちなみに量的緩和は日本銀行が銀行の保有する国債を買い取り、現金(円)と交換する政策です。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
活かした金のためにもしっかりやってください
マスコミやそれに扇動された”庶民派”を気取る人々は、政府による財政支出や公共事業に歪んだ感情を抱き続け、それらを攻撃する機会を常に窺ってきたように思えます。
口では理想論(実は暴論だったわけですが…)を唱えつつも、公共事業を通じて実生活で果実を得るために、そういった感情を押し殺していたのですが、(なぜか)国民の高い支持を得た小泉政権の誕生を契機に、そのタガが外れ、「自由貿易」「規制緩和」「財政再建(緊縮財政)」といったパンドラの箱を開けてしまったのです。
愚かな国民は、高い代償と授業料を払い、くだらぬ社会実験を10年以上も続けてきたのですが、未だにその失敗を認めたくはないようです。