第9回 安倍内閣の外国人労働者受入れ拡大策に断固反対する!
- 2014/7/14
- 社会
- 産經新聞, 移民
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NHKと産経新聞がコラボレートした?
7月11日、NHK—BS1の「国際報道2014」という番組が、「批判相次ぐ“外国人技能実習制度”」という特集を組み、都内で開催された「オリンピックのために使ってはならない外国人技能実習制度」という(左翼・リベラル勢力の)集会をまず紹介し、外国人技能実習生が「奴隷労働」「人身売買」などというプラカードを掲げて抗議している様子を放送した。
また、「不当な扱いを受けた」「不当解雇された」などと不平を訴える複数の中国人技能実習生や、彼らへの支援活動を行っている在日中国人労組の幹部のインタビューを紹介、これに対して番組のキャスターは「衝撃的実態」と驚いてみせた。
さらにNHK国際部の記者が登場し、7月9日にアメリカ国務省のシーデバカ大使(国際的な人身売買問題担当)が、「(日本では)人身売買を仲介する組織が制度を悪用している。日本政府は(外国人技能実習)制度を改善する責任がある」などと米国議会で証言している場面などを紹介した。
そして、「こうした国際的な批判」に対応して、「(日本)政府では、制度の見直しを行って、実習生の保護に向けた対策を進めようとしている」、しかし、在日中国人労組の幹部などからは「それでは何も変わらない」などと不安の声があがっているため、「まず、実習生を保護するための根本的な仕組みを早く、緊急に整えることが求められていると思います」と、NHK国際部の記者が総括して特集番組は終わった。
・・・だから言わんこっちゃない。これでも産経新聞は、「移民問題トークライブ」に関する7月8日付の記事の重大性、すなわち「外国人労働者被害者論」の危険性が認識できないのか?
産経新聞の記事は、『正論』が主催したトークライブが、外国人技能実習生たちの抗議集会と同類だったかのように印象操作し、そこで筆者があたかも在日中国人労組の幹部と同様の発言をしたかのように無断で加工して全国に発信したのだ。それによる精神的苦痛ははかりしれない。だが、筆者の名誉など取るに足らない些事だ。
安倍政権の言葉遊びが招く、「日本の」危機
いま、懸念すべきは日本の行く末である。外国人技能実習生の受け入れを拡大すれば何が起きるか、もう誰の目にも、はっきりと見えているはずだ。
筆者が『正論』5月号で警告した通り、中国の情報戦が米国政府・議会を巻き込み、これに日本国内の左翼・リベラル勢力がコラボレートするという包囲網が、既に完全に出来上がっている。
ここで技能実習生の受け入れを拡大すれば、まさに飛んで火にいる夏の虫だ。中国人労組や左翼・リベラル勢力が手ぐすね引いて待ち構えている。現在、既に日本に入国している技能実習生の8割前後は中国人だ。
安倍晋三ともあろう政治家が、なぜこの問題に関しては鈍感なのか?
安倍総理は、外国人受入れ拡大策は「移民政策と誤解されないように」進めていく、などと繰り返し発言しているが、ならばなぜ、入管法を改正(6月11日、日本共産党や社民党も賛成して全会一致で可決成立)させてまで、「高度専門職」という在留資格を新設し、その在留期間の上限を撤廃したのか?
外交旅券でも公用旅券でもない、中華人民共和国の一般旅券(パスポート)を保持したまま、我が国に無期限で在留できる中国人は移民ではないのか? これが移民ではないというなら、いったい何を以て「移民」というのか?
連載第四回でも触れた通り、過去の歴代自民党政権が、技能実習制度などの外国人受入れ政策を推し進めてきた結果、在日外国人の中で中国人が韓国・朝鮮人を上回る最大勢力となり、しかもそのうち永住者が二〇万人を突破(2013年末)、既に在日中国人の「三人に一人は永住者」というのが我が国の実情だ。
日本の「移民国家」化は、将来の懸念ではなく、足元の現実なのだ。それは法務省が毎年公開している在留外国人統計に歴然と示された明白な事実だ。総理たる者、「知らなかった」では済まされない。
国民を欺き続けるのはいい加減、おやめになったほうがいい。安倍内閣を支持してきた「草の根の保守」の離反を招くばかりか、中国から「トロイの木馬」を引き入れた暗愚の宰相として、政治家としての歴史的評価に汚点を残すことになりかねない。
いまからでも遅くない。外国人技能実習生の受け入れ拡大は即時撤回し、入管法を再改正して民主党政権の悪しき遺物である「高度人材ポイント制度」を廃止し、国民的議論を零からやり直すべきだ。
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