「女装」が女の子にモテる理由

女装して、女の子にモテよう!

 女装は異常者のすること―このような認識は、もはや前世紀の遺物として葬られつつあるのです。

 拙稿「女装保守の誕生」において、私は高らかに(?)こう宣言しました。女装にどうしてもネガディブなイメージがつきまとったのも、昭和までのお話。平成に入って四半世紀も経過した今日、女装に対するネガティブなイメージはほぼ払拭されたと言っていいでしょう。
だがしかし!女装者である私はそれだけでは満足できません!これからはむしろ女装にポジティブなイメージを付加していきたいと思うのです。
そこで今回、私は声を大にしてこう言いたい。

女装して、女の子にモテよう!

 そうです。女装して女の子にモテようではありませんか!
 「モテ」―あるいはその対義語としての「非モテ」―の問題は、00年代に入ってにわかに注目を浴びるようになったテーマの一つです。現代日本社会には「女の子にモテたい!でも、モテない…」というので思い悩んでいる若い男性が多数いらっしゃる。私はそんな憐れな非モテ男子諸君に、女性にモテるための、とっておきの秘訣として、女装を薦めたいのです!
 そもそも、女装とは一体何でしょうか。それは、「男が女の世界を知る」ということに他なりません。普通の男性は、女性として生活した経験がありません(当たり前ですが)。女として生活したことがないから、女の世界を知らない。女の世界を知らないから、女が分からない。女が分からないから、モテないのです。
 女性について知るために、まずは実際に女装してみましょう。
 ちなみに、女性は男性と比べると、実は異性(由来)の文化に触れている度合いが高いのです。たとえば現代の女性はごく普通にズボンをはきますが、その反対に男性がスカートをはくのは(まだ)普通ではありませんよね。男は女の世界を知っていなくても、女は男の世界をわりと知っているものなのです。

女って、タイヘンなんですっ!(衣服編)

 さて、いざ実際に女装してみると、大抵の男性は、女性の服装のあまりの動きづらさ、窮屈さ、そして面倒くささに驚くことと思います。

 たとえば、スカート。初めてはいた男性はきっと「なんだか動きづらいなぁ…」と戸惑うことでしょうね。フレアスカートの場合ですと、裾がゆらゆら揺れて脚にまとわりつくので「うざったい」と感じるはずです。タイトスカートの場合、また違う意味で動きづらい。スカートの裾が脚の動き(特に階段の上り下りや走る際など)を邪魔するので、普段ズボンをはきなれた男性はタイトスカートに「束縛感」を覚えてしまうはずです。

 単に動きづらいだけではありません。スカート姿で椅子に座る場合、シワにならないようスカートのお尻の部分を上から下に手で払ってから座らなければいけません。ミニスカートの場合ですとさらに、女の子(この場合は男の娘?)の大事な部分を社会にむけてご開帳することのないよう、両脚を閉じ、膝にバッグやハンカチなどを置く必要があります。

 面倒くさいでしょう? これも、普段男性としてズボンをはいて生活していると、決して経験できないことです。

 ハイヒールもまた、男性にとっては実に難儀なシロモノです。とにかく、歩きづらい。ハイヒールを初めてはいた男性は、その歩きにくさに驚くこと、うけあい。一度履いてみると、タイトスカートにハイヒール姿の女性を見る目が変わると思いますよ(笑)。

 下着の中では、ブラジャーが難関です。ブラジャーの場合、動きにくいわけではないのですが、着用中は締め付け感を伴います。女装初心者は、初めのうちはブラジャーの締め付け感に苦しむことでしょうし、また後ろに手を回してホックを留める動作にもなかなか慣れず、戸惑うことでしょう―私自身がそうでしたから。

 このように、全体的に見て、女性の服装は男性のそれと比べ動きづらく、窮屈であり、また面倒くさいと言えます。もっとも、「動きづらいからこそむしろマゾっ気をそそられる」という(たとえば私のような)いささか困った女装者も、わずかながらいるのですが(笑)。

→ 次ページ「女って、タイヘンなんですっ!(お化粧編)」を読む

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西部邁

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コメント

    • kubo
    • 2014年 12月 20日

     前回の記事とあわせて読みましたが、「保守」側の人間が「弱者」に対する目線が希薄であることへの指摘は同感ですが、いまいち「保守」と「女装」がなんでつながるのか疑問に思います。
     でも、スカートは一度履いてみたいと思っています。もっとも履くために、どこかで購入ないし入手しなければならず、それが一番大変そうですがw

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