第7回 フジサンケイグループ報道機関の情報操作を暴露する

今回が初めてではない産經新聞の「恣意的」な情報コントロールをつまびらかにする

前回連載で、「移民問題トークライブ」に関する産経新聞本社の不可解な対応を公表することに踏み切ったのは、筆者がフジサンケイグループの報道機関から理不尽な扱いを受けたのは今回が初めてではないからだ。実は三度目なのだ。恥を忍んですべて公表する。

フジサンケイグループに疑いの目を向けざるを得ない過去の出来事

最初は2010年のことであった。
同年4月17日に日本武道館で開催された「外国人参政権に反対する一万人大会」に招かれた筆者は、過去10年間に在日中国人が急増して既に在日韓国・朝鮮人を凌駕する最大勢力になっていること、そして永住許可された中国人が当時約16万人に達し(2013年末にはこれが20万人に増えている)、急激に定住化していること、つまり、多くの日本国民が知らされないまま、日本の「移民国家」化が水面下で進行しているという戦慄すべき統計的事実を、巨大スクリーンに写し出されたスライドのグラフを使って視覚的に訴えた

このときの筆者の講演はかなりインパクトがあったと主催者から礼を言われた。それはよくある社交辞令だったかもしれないが、その後、各地からこのテーマでスライドを使って講演して欲しいという依頼が相次ぎ、どこでも「衝撃的だった」という評価を受けたことから、筆者としては確かな手応えを感じていた。
当時は、外国人参政権の解禁を推進する民主党の鳩山政権下であった。民主党は、日本と国交のある国の国籍を持つ外国人永住者に地方参政権を認めるという政策を掲げていた。すると約16万人の中国人永住者も対象になってしまうが、民主党はそこまで考えていなかったのだろう。

「政権交代が実現したら外国人参政権を実現する」という民団への公約しか頭に無かった民主党は、在日中国人問題の浮上という思わぬ伏兵に躓いて周章狼狽したらしい。その一ヶ月半後の6月に鳩山内閣は崩壊し、さらに三ヶ月後の9月に尖閣諸島沖中国漁船体当たり事件が起きて国民の反中感情が沸騰するに及んで、外国人参政権推進の動きは吹っ飛んでしまった。このため筆者のことを「外国人参政権を潰した陰の功労者の一人」と称えてくれた人もいた。

産経新聞は、日本武道館での「一万人大会」を大きな紙面を割いて報道した。当日登壇した言論人や政治家の発言の要旨が紹介されたが、

なぜか筆者の発言だけがカットされた。

登壇者の中で、筆者の名前と発言だけが記事にされなかったのだ。そして登壇者の中で、中国問題に触れたのは筆者だけだ
大メディアから「編集権」を振りかざされ、「報道するに価しないと判断した」と言われればどうすることもできない。引き下がって屈辱に甘んじるしかなかった。
今回、「移民問題トークライブ」の会場としてサンケイホールの使用が許されず、ホテルの宴会場になったため、スライドの上映はできなくなったと『正論』編集部から告げられたとき、筆者は「一万人大会」のときのことを思い出さざるを得なかった。サンケイホールの使用を禁じたのは、ひょっとしてスライド上映をさせないためだったのではないか? うがち過ぎだと思うが、筆者にはそう勘ぐりたくなる理由があるのだ。

→ 次ページ「新聞やテレビで既成事実を作り、言論人を押さえ込もうという魂胆なのか!?」を読む

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西部邁

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コメント

  1. 残念ながら、産経新聞からの回答はまだ来ていないとのこと。

    問題の記事を書いた記者個人には、信念などという高尚なものは存在しないでしょう。
    あるとすれば、保身とか欲望とかいったものでしかないでしょう。

    ここで明確にしておきたいことは、
    この件で産経新聞の程度が知れるということですね。

    現在、慰安婦報道などで産経新聞は朝日新聞を非難しています。
    その心根がどのようなものであるのか、この件での対応で分かってしまうということです。

    この件で筋を通した回答がくれば、そこには誠実さが含まれている可能性が残ります。
    しかし、逃げたり誤魔化したりすれば、
    所詮は金儲けの手段として朝日批判しているだけだと判断されることになるでしょう。

    この件では、産経新聞の報道姿勢そのものが問われることになるのです。

    • 旅丘
    • 2014年 7月 10日

    産経新聞は全国紙の中で唯一マトモだと思っていただけに、今回の件は失望させられました。

    決して黙っていていい問題ではないと思うので、微力にすらならないかも知れませんが応援しています。

    三橋貴明氏は今日のブログで、「先日の移民問題シンポジウムの産経報道の問題は、明後日、取り上げます。」と発表しました。
    心強い味方として期待できそうですね。

    • 久しぶりの通りすがり
    • 2014年 7月 11日

    「反米」として知られた関岡先生がそういうなら仕方ない。TPP参加は避けられない。
    長いインタビューは、始めからこのような論調を作り上げるための、ネタ集め、コメント収集だったのだと思います。
    メディアって元々そういうもんでしょ。大衆を扇動、動員してある政治目的を実現するのがメディアの役割で、フジサンケイはそういう発注主の命令に忠実に業務を実行したまで。フジサンケイは統一教会CIA系だってことは昔から巷でよく言われてます。
    そういうことは、もう既知であるとして、肝は、フジサンケイがそのような報道をする狙いは何か、フジサンケイは統一CIAとどのような共益関係があるのか、それらを形成するエビデンスや合理的推論の方が、むしろ大事で発展的なような気がします。

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