幸せはどこから?アドラー心理学が教える幸せを得る3つのヒント

みんな、前に向かって進んでいける。

くわえてあなた自身が、劣等感があるからこそ、前に向かって進み続けられていくのと同じで、他人だって、劣等感ゆえに、やはり前に向かって進歩していくのです。
みんな、きちんと、いい方向に変わって行く。進んでいく…。
そう思ってあげることが何より大切です。それは結果的に、自分自身を受け入れることとまったく一緒なのです。
他人を、いい意味で信頼してあげること。
それこそが「他者信頼」なのです。

他人に貢献していくこと。

そして次が「他者貢献」。
結局のところ、人間は、社会の中で生きています。そして人間の最大の悩みは、人間関係にあると言いました。すなわち人間にとって最大の不幸は、
「自分はみんなに必要とされていないのでは?」
「自分がいなくても、社会は関係なく回っていくのでは?」
というような、強い「孤独感」です。それがさびしさになり、つらさにつながっていきます。これは多くの方が、納得できるのではないでしょうか。
すなわち、人間にとっての幸せとは、その「真逆」です。それこそが「みんなに必要とされること」なのです。

お金のためではなく、働く理由。

たとえば、それこそ
「私もアイドルになりたい」
「有名な人になりたい」
「大成功者になりたい」
「大企業の経営者になりたい」
と思う人は多いはずです。この目的は「お金」でしょうか? おそらく違うはず。その成功者と同じだけのお金をただもらうのと、その成功者そのものになること…。どちらかを選べと言われたら、大半の人が後者を選ぶはずです。
お金というのは、副次的なものに過ぎません。重要なのは、みんなに望まれる存在になること。多くの人に賞賛されたり、喜ばれる存在になることによって、何より本人が幸せになれるのです。
これこそが「他者貢献(社会貢献)」です。
精神医学者であるフランクルは、「他人のために尽くすことこそが、本人にとっての幸せにつながる」と言いました。フランクル自身、このアドラーから影響されているとされています。すなわちどちらも共通する部分があり、結局のところ、
「人間にとって一番の幸せは、人の役に立つこと」なのです。
これは決して、偽善だったり、いい子ぶってるわけではありません。
みんなが
「あなたがいてくれて本当に良かった!」
「あなたと一緒にいられて嬉しい!」
などと伝えてくれることは、誰にとっても幸せに感じられるのではないでしょうか。結局、誰かの役に立つことは、自分自身の最大の「存在意義」であり、幸福につながるわけです。

なぜ大企業は成長を続けるのか。

世の中には、たくさんの大成功した企業があります。我々にとって身近で分かりやすいところでは、ユニクロ、スターバックスなどの巨大チェーンがありますね。この社長、どうしてこんなに拡大を続けるのでしょうか。
たとえばですが、我々の感覚では、年収が1億円であっても、2億円であっても、それこそ10億円であっても、そんなに大差はない…と感じるはずです。
普通にゼイタクをして、不自由なく暮らしていくのなら、年収が数千万円あれば十分のはず。それ以上にチェーンが増えて、年収が倍々…になっていったとしても「だから何?」と思うのではないでしょうか。そう思うと、「なぜそこまでチェーンを大きくするの?」という疑問が湧いてくるはずです。
しかし答えはシンプル。
「他者貢献(社会貢献)こそが幸せ」に感じるからです。
チェーンを拡大することで、今までその店舗がなかったところに、新たな店舗ができる…。それは結果的に、そのサービスを受けて、喜ぶ人が増えることにつながります。
それは社長や、そのグループの人たちにとって「貢献」であり「幸せ」なのです。そのため、大企業は、どれだけお金が儲かっても、関係なく、さらに拡大を続けていくわけです。働き続けていくわけです。
とにかく大切なこととして「お金のためではない」ということを覚えておくといいかもしれません。

→ 次ページ「「ほめる」よりも「ありがとう」を伝える意義」を読む

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西部邁

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