保守こそ本当の反日になれ
- 2015/3/16
- 思想, 社会
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<愛国のパラドックス> SPECIAL TRAILERS
佐藤健志氏の新刊『愛国のパラドックス 「右か左か」の時代は終わった』が、1月27日、アスペクトより発売されました。
日本の抱えるさまざまな問題を、<パラドックス>というコンセプトに基づいて明快に論じたもので、amazonでは発売前日から50日以上、イデオロギー部門で1位を記録しています。
岩手県の達増拓也知事は、ツイッターで二度にわたり、次のようにコメントしました。
「我が国最高の保守評論家による、保守愛に満ちた保守論。保守本来のリアリズムと寛容さは国の宝なので、この本で良き保守主義者が育つことを期待します」
https://twitter.com/tassotakuya/status/561424919867580416
「保守愛に満ちているがゆえに、実際に日本で見られる様々な保守的言動について徹底的に批判している本なので、多くの人たちに読んでほしい」
https://twitter.com/tassotakuya/status/561756796616851456
三橋貴明さんも、2月20日と21日のブログで同書を取り上げ、
「読んで『これだ!』と思った」
「以前から疑問に思っていた日本の『保守派』について、回答を示してくれた」
と賞賛しました。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11992201111.html(2月20日)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11992631561.html(2月21日)
同書に収録された15本の論考の中から4本を特別にセレクト、SPECIAL TRAILERSとして連載します。
本ではさらに刺激的な分析が展開されていますので、あわせてご覧下さい。
http://amzn.to/1A9Ezve
本当の反日とは何か? 反日意識の本質とは何か?
これは難しいテーマです。わけても最近は、日本批判を展開しがちな中国・韓国のみならず、アメリカのような国まで「反日国家」とみなす風潮があるので、話がますます厄介になる。
日本をめぐってなされる諸外国の主張や行動で、気に入らないものをすべて「反日(行為)」と規定し、「国際的な反日包囲網が形成されつつある!」などと危機感を煽るのは簡単です。とはいえ、もう少し冷静に考えるなら、以下の二点を指摘しなければなりません。
(1)反日(行為)なるものは、国家単位でなされるとは限らない。より小規模な社会集団、さらには個人による反日も多々見られる。
当の集団や個人のあり方を、どこまで国家と結び付けてよいかは微妙なところ。どの国家と結び付けるべきか、判然としない場合すらある。『ザ・レイプ・オブ・南京』で知られるノンフィクション作家アイリス・チャンは中国系アメリカ人だが、彼女の行為は「中国の反日」に属するのか、「アメリカの反日」に属するのか。
(2)反日(行為)の主体が、個人から国家までさまざまだとすれば、その動機、ないし意識もさまざまだとみなすべきである。
確固たる信念や戦略に基づいて反日を説く場合もあれば、何らかの方便として御都合主義的に反日を説く場合もあろう。たとえば国家なら、国内政治に対する不満をそらす手段として、反日的な姿勢を取ることもあり得るし、社会集団や個人なら、日々の生活で溜まったストレスを解消する手段、あるいは周囲の注目を浴びる手段として、反日的な主張や行動を展開することもあり得る。
しかも、「確固たる信念や戦略に基づく反日」と「御都合主義的な反日」が、明瞭に区分けできるとは限らない。一つの主体、ないし意識の中に、両方の要素が混在している可能性すら考えられる。反日意識に、果たして「本質」と呼ぶべきものは存在するのか。
アイリス・チャンを再度、引き合いに出しましょう。彼女の行動には、「中華意識」「アメリカ人としてのナショナリズム」「作家としての自己顕示欲」の三つの要素がうかがわれます。
『ザ・レイプ・オブ・南京』では、これらの要素が調和しました。「日本の悪行」を媒介に、チャンの中華意識や自己顕示欲が、アメリカ人としてのナショナリズムにも沿った形で表現されたのです。いわば「中国の反日」と「アメリカの反日」が接点を持ったわけで、だからこそ同書は、中国ならぬアメリカでベストセラーとなったのでした。
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