何故移民政策は止められないのか?~民主主義が心肺停止する日~
- 2014/9/24
- 政治, 社会
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議会制民主主義、党派制の問題点はあるか
先日、筆者の運営しているニコニコ動画のコミュニティーで、ASREADでも記事を連載していただいております関岡英之氏に生放送の企画に参加していただきました。今回は、そこで話し合った問題等について色々と考察してみたいと思います。
放送の内容としては、現在話題になっております産経グループによる恣意的な報道姿勢にかんする問題と移民問題について語っていただきました。マスメディア全体の問題としては、小泉政権期から続くマスコミの偏向性や異常性について、そして移民問題では、現在の日本の移民政策で入国してくる外国人は、ほとんどが反日教育を子供の時から受けて育っている若い中国人の労働者などが中心となり、それが日本にどんな悪影響をもたらしうるかという危険性について、様々なデータを元に非常に分かりやすく解説していただきました。
それから、これは実は放送では載せられなかったのですが、放送後に、非常に興味深い、というか恐ろしい話をお伺いしました。
一体、その恐ろしい話とはどういうことかというと、一言で言ってしまえば、
「おそらく、日本の移民政策を阻止することは出来ないだろう」
ということです。
おそらく、このような記事をお読みになる皆さんならば共通して感じられていると思いますが、最近のメディアの報道や政府の発表などを聞いていると、まるですでに移民受け入れが完全に既定路線にでもなっているかのように、非常にスムーズに着々と移民受け入れの準備が進められているような印象を受けます。
実は、これには日本の「政治」の仕組みに大きな理由があり、なにかというと、「移民問題に関しては反対する利益団体が実質的に存在しない」からなのです。
郵政民営化議論では郵政族と呼ばれる族議員が存在し、それに伴う圧力団体が存在していましたし、TPPではJAや日本医師会などと反対を表明していました。また一方では、経団連のように非常に積極的にTPPを推進した団体もあり、だからこそ、あれほど意見が真っ二つに分かれ、議論が盛り上がったのですが、実は、今回の移民問題に関しては、TPP議論の時のJAや医師会などのように明確に反対の意思を表明している団体が存在しないのです(農業団体は後継者の不足から、むしろ外国人を受け入れてでも農業を存続させたいという思いから一部では移民受け入れ賛成の声すらあるそうです)。
そうなれば、当然政治家としても移民受け入れに反対しても票にならないわけですから、消極的にでも自ずと移民受け入れ賛成、もしくは容認の空気が醸成されます。証拠に、TPPではTPP反対の議員連盟が組織されましたが、現在、移民受け入れ反対の議員連盟は存在しないそうです。
関岡氏は、このような事態を非常に憂慮されており、
「移民受け入れは廃止出来ないどころか、反対運動すら今以上の盛り上がりは起こらないのではないか?」
と相当に移民問題については悲観的な見方をしておりました。
ここは、政治の非常に難しい問題の一つであるのですが、結局のところ、言論は政治を動かすための必要条件ではあっても、決して十分条件にはなりえず、どれだけ言論人が頑張って声を上げても、それがどこかの団体を動かし、政治家に対する圧力や脅威にまでならなければ政治は動かないのです。
そこで、政治を動かすためにはトクヴィルなどが言うところの中間団体の存在が不可欠になるのですが、このような問題をさらに突き詰めて考えていくと、移民問題に限らず、現在の利権団体を次々にドリルで破壊させていくのだと主張する現在の安倍総理の方針、さらに遡れば、平成以降ずっと続けられてきた中間組織を破壊していく一連の改革は、下手をすれば民主主義を完全に機能不全にさせる危険性を秘めているのではないかと思います。
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2コメント
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「おそらく、日本の移民政策を阻止することは出来ないだろう」というのは、恐ろしい話ですね。『次世代の党』や『太陽の党』は移民政策に反対しているようですが、今後大きな力を持ちうるでしょうか?移民に反対する利益団体が存在しないとのことですが、それは日本国民でなければなりません。日本が日本であり続けるためには、日本の国体や歴史を尊重しない外国人を日本国民として受け入れることはできません。日本とは如何なる国であるかを、日本人自身が知るようにならなければ、本当の意味で反移民政策が盛り上がることはないのでしょうね。