呪われた子は言った。
「限界を考えることによって、
限界における信仰が生まれます。
一なる神は超越性において、
超越性の存在性によって、
全知と全能と全善が前提されていると考えることができます。」
神の子は言った。
「その通り。
一なる神の名において、
神の子を讃えよ。」
呪われた子は唱えた。
「しかし、ここに、
僕はもう一つの呪いを振り撒きます。
あなたは、人間からの考えで一なる神を定めてはならないと言います。
僕は、これに叛逆します。
人間からの考えで、
人間と一なる神は次元が異なることを前提として、
一なる神を考えてみることが必要なのです。」
神の子は言った。
「一なる神の名において、
神の子を讃えよ。
神の子の教えに従え。」
呪いの子は唱えた。
「人間の善悪において、
神の子の全善は全知と全能へと分解されます。
それゆえ人間からの考えによって、
人間とは次元が異なる一なる神を、
人間が善性から信仰することができません。
善悪そのものにおいてではなく、
人間の歴史における善性によって、
人間は一なる神を善悪において信仰できません。
一なる神は、人間とは次元が異なるが故に、
一なる神は、全知の次元において、人間を上回っているのかもしれません。
一なる神は、全能の次元において、人間を上回っているのかもしれません。
しかし、一なる神は、全善の次元において、人間を上回ってはいないのです。
一なる神は、全善ではありません。
一なる神は、善悪にいません。
一なる神は善を示していません。
一なる神に祈ることはできません。」
神の子は言った。
「悔い改めよ。天国に至るために。
一なる神の名において、
神の子を讃えよ。」
呪いの子は語った。
「人間の歴史における善性を語りましょう。
その善性において神々を語りましょう。
心あるものは祈りました。
そして神々は戦ったのです。神々のごとくに。
勇敢に戦ったのです。神々のごとくに。
それゆえ、その気高さによって、神々は神々たりえたのです。」
神の子は言った。
「悔い改めよ。天国に至るために。
偽りの神を讃えることを止めよ。
神の子を讃えよ。」
呪いの子は語った。
「神々は、敵対するものと戦ったのです。
その結果、神々は敗れていったのです。
神々は傷つき、血を流し、倒れていったのです。
神々は、雄叫びを上げました。
神々が敵対したものは、一であることを僭称する神への信仰でした。
神々は、一であることを僭称する神を崇拝する者たちによって、
打たれ、倒れ、死んでいったのです。
残った神々は、先に死んだ神々の屍を越えて、なおも戦ったのです。
神々は、次々と倒れていきました。
神々は、次々と死んでいきました。
神々は、最後の一柱に至るまで、戦うことを止めなかったのです。
そして、その神々を讃える人々もまた、戦ったのです。」
神の子は言った。
「叛逆を止めよ。
偽りの神を讃えることを止めよ。
神の子を讃えよ。」
呪いの子は語った。
「立ち向かって行く。
人々でありながら、神々のごとくに。
神々がかつて戦ったように、勇敢に、挫けそうになりながらも。
あまたの困難を、努力して、相談して、協力して、克服して行く。
それゆえ、それはこの世界の肯定に繋がる物語。
これは、この世界の肯定に繋がる物語。」
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