一人で泊まるラブホテルのススメ「実践編」
- 2014/6/5
- 文化
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事前に情報を得ないままラブホのフロントに行き、「チェックアウトきょうの10時です」とか午前4時の段階で無愛想なおばさんに冷徹に言い放たれては堪らないものがある。我々は誰に邪魔されること無く夕方まで惰眠を貪りたい自由人だからこそ、一人でラブホに泊まるという「一人ラブホフリーク」たる道を歩いているのだから。
ステップその2 「ぼっち泊の為の『理想的な』ホテルとは?」
理想的なラブホは、「宿泊」の場合はチェックアウト時間午後3時以降。「サービスタイム」の場合は、チェックインが午前4時か5時、チェックアウトが夕方6時以降という感じだろうか。無論、「チェックアウト時間起算制」の場合は、滞在保障が11-13時間以上あれば(保障時間10時間以下は、倦厭する)、まず合格点というところか。このような条件を満たすラブホは、所謂IC脇のラブホ街とか大きな駅の周辺には1軒や2軒以上必ず存在している。但し、実際WEBに掲載されていないラブホ情報もあるから、地道に足で稼ぎたい(WEB情報が更新されていない場合も、ままある)。
例えば私などは円山町(渋谷)、表参道、池袋、新宿、新大久保、大塚、日暮里、鶯谷、上野、北千住、茨城南部、埼玉南部・北部、千葉北東部などにこれらの条件に合致する「一人ラブホフリーク推薦ラブホ」を少なくとも各2~4軒以上押さえているが、具体的なホテル名の公表はしない。何故なら、私が泊まりたい時に満室になっていては困るからである(笑)。
ともあれ、「平日極楽、金曜地獄、死んでも泊まれぬ土曜の夜」という冒頭のフレーズに戻ろう。“「一人ラブホフリーク」を象徴的に現した言葉”と書いたが、その心は、ラブホ業界の特異な慣習に基づいている。一般の宿泊業と違い、ラブホの料金体系には「月(日曜日を含む場合あり)~木」=平日枠、「金」=週末枠、「土・祝前日」=休日と祝日前枠という大きく3種類に大別され、これらの曜日によって料金体系と滞在時間が全て違ってくる場合が殆どである。
例えば都内某所に立地するラブホAは、「(場合によって日曜を含む)平日宿泊」(20:00-15:00 7,800円)、「平日サービスタイム」(5:00-18:00 4,800円)だったとすると、「金曜日宿泊」(20:00-11:00 11,800円)、「金曜日サービスタイム」(6:00-15:00 7,800円)、「土・祝全日宿泊」(21:00-11:00 12,800円)「土・祝全日サービスタイム」(6:00-15:00 8,500円)という風に、平日<金≦土・祝前という具合に、滞在時間も料金も格段に違ってくるのである(部屋のグレードにより異なるが、最近ではグレードに関係のない均一料金制も増加している)。
当たり前だが、ラブホの本来の社会的目的は「人間のKOUBI」である。需要と供給の関係で、平日より休日やその前日に客室の回転を良くするために滞在時間が短くなり、同時に客室料金が跳ね上がるのは資本主義の道理だ。
「平日極楽、金曜地獄、死んでも泊まれぬ土曜の夜」という冒頭のフレーズは、ラブホテルの唯一にして最大の欠陥である「予約ができない」という部分に起因しているのだ。尤も最近は、「来店の30分前、60分前に空室照会ができたり、予約ができる」というサービスを執り行っているラブホも増えた。しかし30分前の予約というのは実際の処ほとんど予約の体をなしていなく、「客室の回転が命」のラブホ経営にとっては正直予約客に力点を置いていない(客からの空室照会にいい加減な対応に終止するラブホもままある)。ふらっと来て電光掲示板に残った客室のボタンを押し、次々と空室を消化して行ってくれるカップルこそ、ラブホ本来の「優良客」だからだ。
その意味で、特に東京都内の各所(無論この傾向は地方都市でも同様である)は、金曜日と週末(祝前)、「人間のKOUBI」を目的にした男女がラブホの客室を占有し、並大抵の覚悟では「一人ラブホ」を実行することができない。そういう意味で「平日極楽~」と書いたのである。
私など、或る三連休最初の土曜日の夜(最も難易度高し)に、渋谷の円山町で13軒のラブホにあたったがいずれも満室で、泣く泣く鶯谷まで後退して漸く一軒とったという「一人ラブホフリーク」としては涙がでるような「屈辱的経験」で枕を濡らしている。
一方、土曜日の夜に同じく渋谷で10軒のラブホの満室を尻目に、ええいままよと入った最後の賭けのラブホで奇跡的に2室の空室があり、眠りにありつけたという経験もある。「実質的に全く予約ができない」というラブホ唯一の欠点を補うには、足で稼ぐ地道な「ラブホアタック」(外観ランプに“満室”、と表示されていてもリネン清掃中の場合があるので、鵜呑みにせずフロントで挑戦するべし)と、経験に基づいた動物的な嗅覚が必要だ。「あ、あすこなら1室くらい空いていそうだな」という直感が、案外奏効する場合もある。無論、これには日々のラブホ情報のチェックと場数が大切なのは言うまでもない。
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