大切なのは、使うこと。
実際、アドラー心理学は、『使用の心理学』とも言われています。
「所有」ではなく「使用」。
何を持っているかではなく、何をどう使うか、ということが重要だというわけです。
これをアドラーは、家にたとえています。
たとえば同じ材料があったとしても、明るく豪華な大邸宅を建てることもできますし、または汚いアバラ家を造ることもできます。
それは造る大工によって変わってきます。
人の行動も、それと同じ『使い方次第』なのです。
怒る人たちへの対策。
よって、あなたの目の前に「怒る人」や「泣く人」がいたのなら。
「やったことは、本当にごめんなさい。ただ大声は出さないで」
「それはすまなかったと思ってる。今度お詫びに▲▲するよ。でも泣くのはやめてほしい」
というように、ハッキリ言葉で注意することです。
あなたが何かを『してしまった』のは事実かもしれません。
でもだからといって、相手の『怒り』や『涙』など、すべてを際限なく受け入れる義務はないのです。
自分自身が怒りそうなときは。
また、あなたが怒ったり泣いたりする本人であれば、
「これは『怒りたい』と思ってるんだな」
「理由のせいじゃなくて、本当は泣きたくて泣いてるんだ…」
と考えてみること。それだけで、一段冷静になれます。
怒りや涙で、相手に言うことを聞かせるのは、暴力で言うことを聞かせたり、泣き叫ぶ子供と、まったく変わりありません。
短期的には相手は従うこともあるかもしれませんが、長期的には、必ずあなたはソンをしていきます。
そのため、怒りや涙ではなく、『言葉で』説明しようとすることです。
「その行動はつらかったから、次はこうしてくれないか?」
「あなたの行動が悲しかったから、今度はこうしてくれないかな?」
それが、成熟した人間の関係です。
何にせよ目的のレベルの違いはあっても、すべての人が、その人なりの目的に向かって生きています。
人間は後ろから押される弱い存在ではなく、前に進むため、目的のために生きているんです。
どうか覚えておいてくださいね。
今回のまとめ。 「アドラー心理学2 ~人の心は分かれていない」
○人間の心はたった一つ。「理性では分かっているのに感情は…」なんて存在しない。
結局は「やりたい」という目的のために、やっているだけ。
○「相手のここがイヤ」というのは「嫌いになりたい」「別れたい」という
心理の現れの可能性が高い。
○人間は前に進むために生きている。
次回はさらに掘り下げて、対人関係の話をしてみましょう。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
『★セクシー心理学GOLD ~最先端の心理学技術★』第509回(2014年6月4日号)
著者/大和まや・ゆうきゆう(精神科医・心理研究家)
あらゆるジャンルの心理学を極めた、セクシーな精神科医たち。あやつる心理学のスキルは1000を超える。「ゾクゾクしなければ人生じゃない!」がモットー。趣味は瞑想と妄想。特技はスノーボード。
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