やめてください、「朝貢」は――中韓に膝を屈する自民党有力政治家

 これからお話するのは、左翼批判ではありません。ある自民党有力政治家のあるまじき行動についてです。

 去る2月13日、二階俊博総務会長は、1400人を引き連れて韓国を訪問し、朴槿恵大統領と面会しました。観光誘致を狙う旅行業者が大半だったということですが、それにしてもこの「大名行列」はいったい何のためでしょう。

大物政治家の中国好き、百害あって一利無し

 産経新聞コラム「産経抄」2月14日付によれば、二階氏は大統領から慰安婦問題の早期解決を求められ、記者団に「まったくその通りだ。日本にも言い分はあるが、理屈を並べるだけで解決しないのはおかしい」と語ったそうです。与党である自民党のなかに、しかもその要職の立場にある人のなかにこういう無知そのもの、無恥そのものの輩がのさばっている限り、日本の政治はまったく改善が望めません。

 周知のように、いわゆる「従軍慰安婦」問題なるものは、そもそも存在しません。これは朝日新聞の捏造であることがとっくに明らかとなっています。韓国の反日勢力は、日本の反権力メディアがやってくれたオウンゴールをもっけの幸いとばかりに、「正しい歴史認識」なるものをでっちあげて、国際社会に発信し続けています。二階氏は、与党政治家でありながら、だれに頼まれもしないのに、そのお先棒担ぎをやっているわけです。

頭を下げるほどにつけ込まれる。国際政治は善人同士の交流会ではない

 問題のない所に解決もあるはずがない。日本ではだれも「理屈を並べるだけ」などしていません。ただ朝日のウソとそれに便乗する韓国の反日攻勢とはけっして許されるべきではないという「事実」を主張しているだけです。

 二階氏は、日本に降りかかる数々の災厄を少しでも振り払おうと努力するような公共心のかけらも持ち合わせていない、ただの利権政治屋であることがこれでよくわかります。彼は、朴大統領が自明のこととしている「慰安婦問題」「歴史認識問題」を受け入れたのですから、向う側の「理屈」をそのまま認めたことになります。向うの「理屈」を全部聞き入れておきながら、こちらの「理屈」を否定して解決に導こうとは、何たる反日外交的手法でしょうか。

 こうした、情実だけに頼ってともかく丸く仲良く笑顔で接しておけば何とかなるなどと考え、それが利敵行為以外の何ものでもないことがわかららない頭の悪い政治屋は昔からいましたが(例:金丸信、小沢一郎氏、鳩山由紀夫氏)、この間の日韓外交、日中外交の経緯によって、甘い顔をすれば相手がますますつけあがるだけだということが厭というほど知らされた今、もうそんな政治家はさすがにいないだろうと思っていたら、なんと与党の中枢部にいたんですね。

 この調子で行くと、二階さん、今度は中国に嬉々として頭を下げに行くんじゃないかと思っていた矢先、2月26日付産経新聞に次のような小さな記事が載っていました。

 自民党の二階俊博総務会長は25日の記者会見で、5月に予定している中国訪問について、22~24日を軸に調整していることを明らかにした。中国政府要人との会談が設定されるとみられる。冷え込んでいる日中関係改善に向け、政府を側面支援する狙いがある。
 二階氏は日中関係について、昨年11月に安倍晋三首相と中国の習近平国家主席が首脳会談で笑顔なく握手を交わしたことを念頭に「現状でいいわけがない。あんな難しい顔の日中首脳会談なんてあるか」と危機感を表明。「凍り付いたような日中関係を打破していくことが大事だ」と述べ、訪中を「その一助としたい」と意気込みを語った。
 訪中は観光交流が目的で、観光業界関係者ら約3千人が同行する。(以下略)

 さすが大国の中国相手、今度は3千人だそうです。まさに「朝貢」であります。習近平氏の仏頂面だけが気になって、国内向けに意識的にああいうポーズをとっているのだということも見抜けず、習氏の顔を崩す情緒戦略で日中関係が何とかなると思い込んでいるアホらしさ。もっともあの顔は、国際的には大失敗だった(つまり安倍首相の勝ちだった)ようですね。

 それにしても、中国富裕層の観光客を招致するのに、与党の要職にある政治家が手をすり合わせて、どうぞ日本に来て下さいななどと音頭を取る必要がどこにあるのか。みっともないったらありゃしない。まさに百害あって一利なしです。

 先日たまたまある会合があって、そこで産経新聞の人気記者・阿比留瑠比さんにご質問する機会がありました(熱があるのに来てくださった阿比留さん、ありがとうございます)。のこのこ敵陣に乗り込んで行って、習近平一派の術中にはまることはないのか、安倍総理は、自民党総裁として、こういう愚行を黙視していてよいのか、と。

 阿比留さんのお答えは、「彼(安倍さん)は、勝手にさせておけばよいという考えだ。党の総務会長なんていうのは何にもすることがないのだ。習近平というのは戦略的思考など何もできない人だ」というものでした。なるほど間近で政治家に接している人ならではの見解だなとそれなりに感心し、一応は尊重すべきと思いましたが、私は少し違う感想を持っています。

→ 次ページ「中国がないと日本は成り立たないというのは、単なる思い込みに過ぎません」を読む

ページ:

1

2

西部邁

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 2015-7-24

    ラムズフェルド回顧録

    「真珠湾からバグダッドへ ラムズフェルド回想録」書評  政治家と政治学者。  ともに政治に対…

おすすめ記事

  1.  経済政策を理解するためには、その土台である経済理論を知る必要があります。需要重視の経済学であるケイ…
  2. ※この記事は月刊WiLL 2015年4月号に掲載されています。他の記事も読むにはコチラ 「発信…
  3.  現実にあるものを無いと言ったり、黒を白と言い張る人は世間から疎まれる存在です。しかし、その人に権力…
  4. ※この記事は月刊WiLL 2016年1月号に掲載されています。他の記事も読むにはコチラ 「鬼女…
  5. ※この記事は月刊WiLL 2015年6月号に掲載されています。他の記事も読むにはコチラ 女性が…
WordPressテーマ「CORE (tcd027)」

WordPressテーマ「INNOVATE HACK (tcd025)」

LogoMarche

ButtonMarche

イケてるシゴト!?

TCDテーマ一覧

ページ上部へ戻る