サラリーマンエコノミストにご用心?~御用コメンテーターが日本を壊す~
- 2014/12/25
- 社会
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消費税増税は延期になったけど
ここまで説明したうえで、中には、「安倍首相は、そのような小賢しいコメンテーターの発言に惑わされずに、しっかりと消費税増税先送りの判断を下せたのだ!!さすが安倍首相だ!!」と思う方もいるかもしれません。しかし、問題は、今回の消費税増税先送りと引き換えにねじ込まれたバーターである景気条項の削除です。
これによって、1年半消費税増税先送り後の消費税増税はほぼ確実になりました。安倍首相は、リーマンショック並の経済危機が発生した際には、消費税増税のさらなる先送りもあり得ると述べたそうですが、「まさに今現在がリーマンショックに匹敵する経済危機である」という認識は皆無であるようです。
デフレ脱却への期待を込めて放った第一の矢の金融緩和は、株価を押し上げ、円高是正を達成しましたが、一方で実質賃金は低下を続け、非正規労働者は増加し、改善のめどは立っていません。
「アベノミクスの第一の矢は成功した!!」と喧伝する評論家やコメンテーターは多いですが、実際の経済成長の数値を見てみると、「アベノミクスで景気が回復した!!」と言われる2013年ですら、経済成長率は1.52%で188ヵ国中138位で明らかに世界経済の平均パフォーマンスを下回っており、なんとアベノミクスを実行する前の前年2012年と比較しても1.46%成長の132位から順位でいえば6位順位を落としています。このようにデータを冷静に分析すれば、「単にアベノミクスは一部の投資家や大手輸出企業を潤わせただけだ!!」という批判もそれほど的外れとも言えません。つまり、アベノミクスは、円安と株価の上昇により一部の投資家と大手輸出企業を潤わせただけで、さほど実体経済には好影響をもたらさなかったワケですね。
さて、現在、まさに安倍首相の言うところのリーマンショック並の危機であるのですが、第一の矢がほとんど実体経済を回復させないことがほぼ判明した状況で、果たして2年半後の消費税増税までに、さらなる消費税増税のショックに耐えられるほどの強靭な経済にしていくことが可能なのでしょうか?私には相当疑問に思えます。
それでも安倍首相は有識者たちの意見を参考にして、「財政再建への強い意志を示すため」と述べながら景気条項を削除することでしょう。
私は、国民不在の政治に先はなしと確信していますが、おそらく、安倍長期政権を望む多くの保守派の支持者の期待に反して、もはや安倍首相には長期政権を築くための意思も能力も消失しているように思えます。おそらくは、再度消費税を増税するときには、安倍首相は首相の座を降りているという算段をしたうえでの先送り後の消費税増税確定措置だったのではないでしょうか。
コメント
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2015年 1月 13日トラックバック:八重桜の会公式 移民・多文化共生政策に反対する日本国民の会
2013年10月:倉山×水島・三橋
2014年8月:倉山×田中
2014年9月:倉山×野比怒羅江悶
2014年12月:倉山×古谷
さて、来年の倉山(世界に一人だけの牽制死家)は、誰と大喧嘩するのでしょうか。
正直、見物です(爆)。
>獅子舞様
あなた様のその書き込みと当記事とは関連性がないように思えます。
しかし、倉山と水島の喧嘩は、見物だったのは頷けますが。
これからもこの両者が戦いあって潰しあってくれることを望んでいますよ。