トランプ現象、中国台頭の原因を根底から問い直す

異国、異文化との接触を表すカタカナ語は、一昔前は国家間を表す「インターナショナル」でしたが、現在では全地球的ニュアンスを含む「グローバリゼーション」を使うことが多くなりました。一般的に、グローバリゼーションによりヒトモノカネの動きが地球規模となることで、経済活動はより活発になるという通念がまかり通っているように感じられますが、果たしてそうでしょうか。

先日の住民投票でEU離脱を決めたイギリス国内では、グローバリゼーションの欧州版とも言えるEUに対する評価はスコットランド住民とイングランド住民では全く異なっています。また、アメリカ共和党の大統領選候補者となったトランプ氏は、メキシコ国境に万里の長城をつくるなどという荒唐無稽な発言が物議を醸していますが、これはグローバリゼーションに対し肯定的な評価をしていないように見受けられます。更に、お隣の中国ではアメリカを含む欧米諸国が構築したグローバリゼーションの構図を塗り替え、中国が新たに西太平洋において覇権国となりたいという意図を感じることができます。

ここ最近起こったことを列挙しただけでも、グローバリゼーションという言葉を取り巻く状況は複雑で、すっきりと理解が及ぶものではありません。

今回、ASREADではグローバリゼーションが私たちにもたらす影響をじっくり考える為、京都大学の佐伯啓思名誉教授をお招きして講演会を開催致します。佐伯氏はグローバリゼーションの根源に近代主義(及びそれを支える合理主義、自由民主主義、物質的豊かさ)の存在を見、その帰結はグローバルな虚無主義であることを指摘しております。新たな局面を迎えたグローバリゼーションと我々は今後どのように向き合えばいいのか、この講演会ではそのヒントを得ることができると確信しております。

ご参加連絡はページ最下部のボタンにて受け付けております。皆さま、どうぞ奮ってご参加ください。

講演会概要

日時: 2016年7月30日(土)14時開催 (13時40分開場)
演題:・西洋化と近代化~グローバリズムがもたらしたニヒリズムと日本の特殊性~
・シンボリック・アナリストの台頭と脱落する中流層~パナマ文書に垣間見るグローバリズムの一端~

会場名: TKP京都四条烏丸カンファレンスセンター
住所: 〒600-8423 京都府京都市下京区仏光寺通室町東入釘隠町247番
定員:100名
アクセス:京都市営烏丸線 四条(京都市営)駅 6番出口 徒歩2分
阪急京都線 烏丸駅 23番出口 徒歩3分

地図:

※講演内容は変更される場合がございます。ご了承ください。
※講演時間は約2時間を想定しております。
※17時より佐伯先生を交えての懇親会もご用意しております。

佐伯啓思 プロフィール

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1949年 奈良市にうまれる
1972年 東京大学経済学部卒業
1979年 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学
1979年 広島修道大学商学部講師
1981年 滋賀大学経済学部助教授
1993年 京都大学総合人間学部教授
1997年 京都大学大学院人間・環境学研究科教授
2015年 京都大学 同研究科退職
2015年 京都大学名誉教授
2015年 京都大学こころの未来研究センター特認教授

研究分野
政治学、経済学、社会学、思想史などから得られた知見を総合して、現代社会の様々な問題を論じる。とりわけ、経済のグローバル化と国家の関係、西欧近代社会の帰結、また、その背景をなす思想について考察する。
(受賞) サントリー学芸賞(1985年) 東畑記念賞(1994年)読売論壇賞(1997年)産経正論大賞(2007年)

最近の主な著作
「20世紀とは何だったのか」(PHP文庫 2014年)
「西欧近代とは何か」(PHP文庫 2014年)
「アメリカニズムの終焉」(中公文庫 2014年)
「アダム・スミスの誤算」(中公文庫 2014年)
「ケインズの予言」(中公文庫 2014年)
「西田幾多郎」(新潮新書 2014年)
「正義の偽装」(新潮新書 2014年)
「日本の宿命」(新潮新書 2013年)
「反・幸福論」(新潮新書 2012年)
「貨幣と欲望」(ちくま学芸文庫 2013年)
「経済学の犯罪」(講談社現代新書 2912年)
「現代文明論講義」(ちくま新書 2011年)
「日本という価値」(NTT出版 2010年)
「大転換」(NTT出版 2009年)
「日本の愛国心」(NTT出版 2008年)

佐伯先生のお考えを聞ける貴重な機会

佐伯啓思先生が講演されること自体があまりないことではありますが、現在のトランプ現象や中国の台東などからグローバリゼーションの問題点を語る場はありませんし、ましてやタックスヘイブンについての言及はあまり聞ける機会があることではないと思います。ぜひ、このような貴重な機会を逃さないようお願い致します。

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